神に愛された男達
昨日、5月の試合中に左手首を骨折して戦列を離れていたヤンキースの松井秀喜が、4カ月ぶりにメジャーの試合に復帰した。
リハビリを含めて長く実戦から離れていたワケだから、メジャーに復帰したとはいえ、はたしてどのくらい調子が戻って来たのか、誰もが昨日の松井を不安な目で見ていたはずだ。もちろん私も・・・
松井は昨日のデビルレイズ戦に「8番・DH」で先発出場した。しかし彼の第1打席はいきなり1回の攻撃から回って来る・・・ (^^;
1死一、三塁で迎えた復帰第1打席。本拠地ファンのスタンディングオベーションが松井に贈られる。球場を、そして松井を拍手と歓声が包む・・・ そして松井の打球は詰まりながらもセンター前にポトリと落ちる見事なタイムリー安打となった。これでチームは5点目を挙げ、デビルレイズの先発コーコランは初回1死を取っただけでKOとなってしまった・・・
その後も松井の勢いは止まらない・・・
第2打席は痛烈なライト前への安打。第3、第4打席は詰まりながらもセンター前へ安打を放ち4打数4安打。8回の第5打席は四球で歩き、ここで松井に代走が送られてお役ごめん。
結果、4打数4安打1四球で、5回の打席全てで出塁するという離れ業を演じてチームの勝利に大きく貢献、自らの復帰第1戦を華々しく演出した。
しかし、昨日のデビルレイズの投手陣は先発のコーコランを始め若手が主体で一線級の選手ではなかったから、昨日の松井の活躍も割り引いて見なければいけないなどとしたり顔で解説する者もいる始末・・・ (__;) わかってないなぁ・・・(怒り)
たとえそうであったとしても、相手も来季に向けて必死にアピールしている選手なんだよ、仮に松井の調子が万全であったとしてもそうそう打てるモンじゃないって事をわかってほしいなぁ。
昨日の松井は、実力はもちろんだが、運も味方にしていたと思わずにはいられない。「運も実力のうち」とは昔からよく言われて来たことばだ。どんなに実力があったとしても運が伴わなければスター選手になどなれるわけはないのだ。そして、その運を左右できるのは他ならぬ神だけだ。神に愛されてこそ初めて人はスターへと成り得る。
イチローが良い例だろう。彼が1992年に最初にプロとして入ったチームは日本のオリックスというパ・リーグのチームだった。当時の監督は土井正三・・・いわずと知れた巨人V9を支えた名2塁手である。とかく巨人出身の監督やコーチは型にはめたがる傾向がある。イチローの打撃フォームを見て徹底的に扱き下ろし、オレの言うとおりに直さない限り使わないという事で2年間ずっと二軍暮らしが続いた・・・
その後、土井は成績不振と選手たちからもファンからも愛想を尽かされた事で監督を解任された。
土井の後を継いで1994年に監督になった仰木彬は、二軍で好成績を残しているイチローにさっそく目を付けて開幕からずっと1軍で使い続ける・・・ もちろんあの振り子打法のままでだ。
以後のイチローの活躍はご存知の通りだ。その年から光を放ち、プロ野球記録を次々と塗り替えて行った・・・
もし、あのまま監督が土井のままだったら・・・イチローは鈴木一郎という原石のままで、光輝く事もなく野球界から消えていったかもしれない・・・
松井秀喜、鈴木一郎、彼等は間違いなく神に愛されて輝きを放ち、スターになった男達だ・・・
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