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2006年10月 2日 (月)

臓器売買

20061002001  昨日、愛知県で、生体間腎臓移植手術に絡んで臓器売買が行われたとして、患者と斡旋者の二人が逮捕された。
 やはり臓器移植にお金が絡むような事はあったのかとあらためて思った。

 

 臓器移植によって助からない命が助かる・・・
 失われた機能が取り戻せる・・・
 一見、とても素晴らしい夢のような事のように思えるのだが、私は臓器移植には否定的な一人だ。
 軽々しくこういう事を言うと、誤解を与えかねないのであまり口にする事は無いが・・・
 臓器移植に対しては「イイ事ばかり」が報じられがちであるが、その陰に隠れた「マイナスの部分」にはアンタッチャブルだ。本当にこんな事でいいんだろうか・・・ (__;)

 

 臓器移植にはとにかく問題が多すぎる。手術を含めた医療費の負担はもちろん、臓器の確保が難しいうえに、その授受に関して不透明な事が多いからだ。特に子供の場合は臓器自体が小さいから大人のモノは使えない。ドナーとなる臓器がほとんどない事に加え、日本では15歳以下の子供の臓器移植は法律で禁止されているからことさら深刻だ。

 だから、こういう場合には例外なく海外で手術をする事になる。ただ、こうなると手術費に加え渡航費用、滞在費用などに莫大なお金がかかる事になる。患者の家族が裕福で、お金をいくらでも注ぎ込む事ができるのなら私のような部外者が何も言う事はない。そうまでいかなくても、親戚や友人、あるいは退職金の前借りなどで当面の費用を工面できる人ならそれはそれで幸せな事だろう。しかし、一般的にはそういう人は小数派だ・・・
 親なら誰しも、我が子の命を助けるためにはなんでもしたいと思うのが人の常であろう。医療費を手に入れるために犯罪に走る人も居るかもしれない・・・

 

 しかし、海外で手術といっても臓器を必要としているのは何も日本人だけではない、世界中で子供の臓器は必要とされているが、ドナーの数はあまりにも少ないのが現状である。
 需要に対して供給が追い付かないわけであるから、当然一つの臓器は奪い合いになる。一般には報道される事はないから知らないだけで、臓器の売買には大掛かりなブローカーまで居て、そこには大きなお金が動くともいう・・・
 2年前にスマトラ島沖で起きた地震による津波で大きな被害が出た。あの時には災害の陰でこういう臓器ブローカーが暗躍したと噂された。居なくなっても怪しまれないような、親を無くした子供たちがターゲットとなり大勢の子供たちが売買されたと・・・ (__;)
 そのような子供たちの臓器が海外で臓器手術を受けた際に使われた可能性は否定できない。

 

 また、脳死者からの提供や、生体間移植の場合でも不透明な臓器の授受は無いのだろうか・・・はなはだ疑問だ。
 脳死判定なんて実にあいまいだ。臓器が欲しいと思う医者が死の一歩手前の患者に対して脳死と判定しないという保証はない。
 また生体間移植では、病気の人を救うためにと健康な人の臓器を切り取り、結果的に不健康な人を二人作るだけの事ではないのか・・・

 

 命は大切だ。だからといって臓器移植に対してあまりに「イイ事ばかり」を世の中は語ってはいないのか・・・
 陽があたればそこには必ず影ができる。表があれば必ず裏もある。
 臓器のやりとりの裏側に、本当に「マイナスの部分」は無いのだろうか・・・
 臓器移植を受けて病が治った、命を拾ったと喜んでいる人が居る一方で、悲しんでいる人が居ないとは言い切れまい。

 

 私は、金で命を買うような事がまかり通るような世の中になりかねないという理由から、臓器移植には否定的な一人だ・・・

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コメント

はじめまして。
今後ともよろしくお願いします。

えっと~ぉ。いきなりですが、フロントロックはバックシャンですが、前屈みになった時に痛みを感じます。特に胸が大きいと谷間に挟まったりしてそれは著明みたいですよ。
背中に有った方が動きに違和感無くフィットするみたいです。

投稿: みけ | 2006年10月 3日 (火) 19:44

・・・すみません・・・
コメントの位置を間違えてしまいました。上のコメントは「ブラノホック」へのコメントです。

臓器移植に関しては、日本は「脳死」に対しての見解がまだあいまいで不安定な所があるのでなんともいえないのですが・・。
生態移植は善悪の前に命に対してのリスクがありすぎるような気がしてなりません。仮に善の場合があるとしてもぎりぎり苦しいの選択なのでしょう。悪の場合は決して許されない事ですが、医療の発展は陽のあたる部分だけではないのが悲しい現実だと思います。
多くの人の死があって、その前には多くの小動物の死があって、その上の今の私達の安心できる生があるんですよね。
そう考えると・・・・生きるって悲しいものなんですね。

投稿: みけ | 2006年10月 3日 (火) 20:01

 みけさん、居酒屋へようこそ (^^)/

 いいトシして好き勝手書いてますので、女性の方にはおもしろいと思えるような記事は少ないかとも思いますが、今後ともよろしくお願いします m(_ _)m

 この記事のテーマは重くて、簡単には語れないのはわかっていますが、世の風潮として「命」があまりにも最優先に考えられていて、そのためにはなんでもアリみたいな考えがちょっと納得できないだけです。
 例えば、生体間移植ではドナーは原則として血縁者または家族に限定するみたいな事を言っていますから、家族の誰かが移植を必要とした場合、適合者は臓器を提供しなければ「人非人」扱いされてしまいます。
 お金がないから寄付を募って手術を受けようとか思うのも、言ってみれば「親のエゴ」ですよね。「○○ちゃんを助けよう・・・」とか情に訴えて寄付を募るから寄付を断る人はやっぱり人非人と思われかねない・・・ (__;)

 そういう事で誰かが心を痛める事があるとしたら、それは福祉がキチンと行われていないからだと思うんですよね。
 残念ながら・・・ (__;)

投稿: 夢見るピーターパン | 2006年10月 3日 (火) 21:13

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受信: 2006年10月 3日 (火) 19:01

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