職人気質
三洋電機が、04年以降にリコールした洗濯乾燥機が修理後にも発火して、利用者がやけどを負う事故が起きていた事を発表した。
パロマの件といい、不二家の件といい、実に嘆かわしい不祥事が続く・・・ (ノ_-;)ハア…
かつては、モノを作りだす人達は「職人」と呼ばれ、人々の尊敬の対象になって来た・・・
大工、左官、経師屋、庭師、等々・・・職人と呼ばれた人達はいたるところで自らの技術を駆使し、社会に大きく貢献をして来た。
私も、まだ「職人」ということばが辛うじて活きていた頃の時代に育ったので、彼等に対する憧れや敬意の念は確かに持っている。
しかし、時代が変わり、モノは職人たちが一つ一つ手作業で作るのではなく、会社が機械を使って大量に作りだすような世の中となり、職人たちは活躍の場を失い、次第に姿を消していった・・・
当然「職人気質」ナンてことばも、死語になっていった・・・
モノは「職人」ではなく「技術者」や「作業員」によって作られるようになった。そうなると作られたモノに「魂」は入らない・・・ 一応、形だけは体裁よく出来てはいるものの、職人が作ったモノとは根本的に違って使用には耐えないものが少なくない・・・ (__;)
なぜなら、「職人」は「客」の事を第一に考えながら仕事をするけれど、「技術者」は客の事ではなく「会社」の事を第一に考えながら仕事をするからである。
こうなると、モノを作る目的は自然と「利益」の追求に走りがちになる・・・ その結果として「魂」のこもらない「粗製濫造」を繰り返し、出来たモノはお粗末そのモノで、様々なクレームを生みだす・・・
「利益」を追求する「技術者」や「作業員」は、そのクレームをお客のタメにではなく会社のタメに処理しがちだ。だから不正改造やその場しのぎの場当たり的な修理を平気で行っても心は痛まない。「バレなければかまわない」のだから・・・ (-_-メ)
職人たちの体の中に流れる「職人気質」は、自分の技術に誇りを持ち、作ったモノに対するこだわりは並大抵のモノではない。万一、自分の作ったモノが不具合を起こしたら、カネや時間などの制約などは一切顧みないで処理にあたる。だからますます彼等の仕事は高く評価されるのだ。
しかし、会社の中ではそういう考えはナンセンスであり、評価されない。客に喜んでもらえるモノを作った技術者よりも、会社に利益をもたらした技術者の方が高く評価されるのだ。
人は少なからず「クレーム」を怖がる傾向にある。クレームが来たら逃げ腰になり、適当に応対して、うまい事ごまかして、なんとかその場を取り繕おうとする・・・
文句を言ってくる人間を煙たがり、自分の回りから追い払おうとする・・・
しかし、私の経験から言えば「クレーム」は商売の大きなチャンスであり「クレーマー」は最大のお得意様だ。
キチンと客の立場に立って話しを聞き、納得のいくように処理すれば、そのクレーマーは腹を立てた事を忘れ、逆に満足して、以前にも増してヒイキにしてくれるものだ。なぜなら、そこに今までには無かった「信頼関係」が生まれるから・・・
このヘンの対応を誤ると会社そのモノの存亡にも関わる事になる。
三洋電機もパロマも不二家も、今一度初心に返り、メーカーとして「職人気質」を思いだしてほしい。
誰のタメのモノ作りなのかを真剣に考えてほしい。
「客」のタメだというのなら、そのような対応をしてほしいと願わずにはいられない。
それが、回り回って、最終的に「会社」のタメになるわけだから・・・
まさに「情けは人のためならず」だ (^^)v
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コメント
こんにちは^^
一般的に職人と言うと即、浮かぶのは、夢さんのように、大工・左官等々ですが
工業界にも多くの職人は居るのですよ。
特に、工作機械を操作する、俗言う、機械工はまさに
職人なのです。
但し、大メーカーのラインで働く方に関しては、その限り
出はないですが、個々に工作機械を与えられ、加工してる
方々は、職人以外の何者でもありません。
所が、3K職場と言うことで、若い方に敬遠され
優秀な技能の継承が難しくなって来てるのは、大工・左官等と
同じです。
最先端と言われる、ロケット技術にも、加工段階では
そんな職人さん達の、手作業による組み立てや仕上げ
部品加工などがあるのです。
そんな、技能を継承する為にも、学歴偏重のアホな社会を
何とかしなければ。
投稿: ポンポコ | 2007年1月28日 (日) 16:42
ポンポコさん、どうもです (^^)/
そういえば、町工場などで働いていらっしゃる旋盤工等の熟練工の話しは聞いた事があります。
削ったり、磨いたり、その卓越した技術はノギスやマイクロメーターなど使わずとも、ミクロン単位の加工も可能とか・・・ (^^;
職人さんって、凄いですよね~ (^▽^)/
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年1月28日 (日) 20:46
ピーターパンさん、こんばんは。
「クレーム」は商売の大きなチャンスであり「クレーマー」は最大のお得意様だ。
なんて、なかかな言えるもんじゃありません。
日々、仕事していて、こうした苦情に接する立場にあるのですが、しっかり肝に銘じたいと思います。
投稿: むうさん | 2007年1月28日 (日) 22:36
むうさん、どうもです (^^)/
「クレーム」って、少なからずその商品なりお店なりに思い入れがあるから出るんじゃないでしょうか。どうでもいいようならいちいち文句を言って来たりはしないと思います。クレームを付けるのもけっこうエネルギーが要るんですよ(笑い)
それなのに、受ける方が煙たがっていい加減な対応をしていると、クレーマーの怒りはさらに大きくなって、収拾がつかなくなってしまいます。
だから、私はうるさいお客ほど有り難くその声を聞くべきだと思うのです。
仕事が順調にいっているならそれに越した事はありませんが、何か問題があるからそういうクレームが出てくるのでしょう。
ノムさんも言っています。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と。
うまくいく時にはナニをやってもうまくいくものですが、うまくいかない時には必ずそれなりの原因があるものです (^^)v
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年1月28日 (日) 23:05