死の淵をさまよう夕張
財政破たんした北海道夕張市で7日、「成人祭」が開かれたというニュースを目にした。
市が毎年支出していた補助金 60万円を全額カットしたため、地元の若者らが奔走し、手作りの式典となったというものだった・・・
実行委員会に、専門学校生ら6人の新成人を加え、企画を練り、カンパを募り、出演者に「手弁当」を頼んで開催にこぎつけたという・・・
しかも、会場は例年のホテルから市民会館に変更・・・
夕張といえば、かつて石炭で栄えた炭坑の町として日本の産業の屋台骨を支えてきた。
それが昭和30年代後半から押し寄せた石油などへのエネルギー転換政策などの逆風にあって次第に斜陽化、炭坑の相次ぐ閉山から町の人口は急激に減っていった・・・
昭和初期には 5万人程度だった人口は年を追うごとにふくれ上がり、昭和30年代前半には最大 12万人程度までになった人口だったが、40年代半ばまでの10年間で半数の 6万人ほどまでに減少、その15年後の昭和60年にはさらに半数の 3万人程度になり、平成10年にはとうとう 1万5千人程度にまでなっていた・・・
このあたりの経緯は、三池炭坑や常磐炭坑などの他の炭坑町と同じである。
夕張という町は、炭坑の閉山と共に一度死の淵をさまよった・・・
農業には向かず、かといって石炭産業以外の産業基盤をほとんど持たなかった市は、「炭鉱から観光へ」とテーマパークやスキー場、映画祭などの企画を次々と打ち出し、地域経済の再生と若年層を中心とする人口流出に歯止めをかけようとした。
その一方で、気温の寒暖差を逆手にとった「メロン栽培」に活路を見いだし、夕張メロンは市の基幹産業の一つにまでに成長し、その名前は全国区になっていった。
その矢先に表面化した、今回の市の財政破たん・・・ (__;)
夕張は、今また死の危機に直面している・・・
死の淵から一度は甦った夕張・・・
今、もう一度不死鳥のごとく立ち上がる事ができるのか・・・
国の政策が、地方切り捨てを明確に打ち出している今、その道は前回の時よりもずっと厳しい・・・
しかし、それができなければ、夕張は本当に死んでしまう・・・
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コメント
ピーターパンさん、こんばんは。
ついに夕張ねたですね。
夕張問題のいちばん根が深いところは、
炭鉱の閉山で旧産炭地域に対する補助金がまずたんまりと提供され、これで本当の意味で自立できる機会を逃してしまったこと。
国や道に加え、民間の銀行までが、
厳しい状況を承知のうえでどんどん金を貸したこと。
(取りっぱぐれない、ということでしょう)
目の前にカネがたんまりあったものだから、
行政組織として危機感を抱く機会さえも、
見逃してしまったことなどでしょうか。
北海道は極端な官依存体質で、市民は市に、
市は道に、道は国に対して、
「いつかはなんとかしてくれる」
なんて、妄想を抱いているところも大きいかも。
投稿: むうさん | 2007年1月10日 (水) 20:58
むうさん、どうもです (^^)/
なるほどなるほど・・・
中に居ないとわからない事ってありますよね。
それにつけても、結局しわ寄せは住民にのしかかってくるワケですから困ったモンです。
こんな事態にしてしまった当事者たちに、危機感とか罪悪感とかって、ホントにあるんでしょうか (^^;
疑わしいモンです・・・
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年1月10日 (水) 22:33