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2007年1月 8日 (月)

箱根駅伝の功罪

 年も明け、いよいよ来年は北京五輪が開催される事もあって、今年は各種目とも代表選手を決める様々な大会が次々に行われる事になる・・・
 マラソンも同様に、男女ともに選考会を兼ねたレースが幾つか行われる。

 かつては日本のマラソンは十分に世界に通用して、各大会でメダルを獲得する事も少なくなかったわけですが、最近はかなり状況が違って来ている。

 女子は、アトランタ大会以降、有森の銅、高橋の金、野口の金と、毎大会目覚ましい活躍をしていますが、男子は、バルセロナ大会で森下広一が銀を獲得したのを最後に三大会メダルには手が届いていません・・・

 華々しい活躍をする女子長距離陣に比べて、男子長距離陣が近年低迷していて、世間からも男子はだらしないなどと言われる始末・・・ (__;)
 前は強かった男子マラソンがどうして世界に通用しなくなってしまったのか・・・
 その原因の一つに箱根駅伝を挙げる人は少なくない。「箱根駅伝不要論」なんて事をぶち上げる評論家も出るくらいだ・・・ (__;)

 

20070108001_2 今年も箱根駅伝が、日テレの中継で全国放送され、日本中が学生ランナー達の熱い走りに熱狂した・・・
 日テレが中継した今回の駅伝の関東地区の視聴率は、往路が27.3%、復路が28.5%だったとビデオリサーチは発表した。
 年々箱根駅伝をとりまく状況は過熱する一方だ・・・

 

 私もとにかく箱根駅伝が大好きで、これを楽しみに1年間を過ごしていると言っても過言ではないくらいだ(苦笑)

 

 もともと箱根駅伝は、関東の大学しか参加していない事もあって非常にローカルな大会でしかなかった。
 中継もラジオでしか行われていなかった頃は、コースとなる国道1号線沿いのお正月の風物詩的な色合いが強かった。

 それが、1989年の第65回大会から日本テレビが全区間を完全生中継するようになってから状況は一変する。知名度は一気に全国区となり、箱根駅伝をとりまく環境も年々熱を帯びて現在に至っている。

 

 箱根駅伝が全国区になった事で、高校の有力ランナーはこぞって関東の大学を目指すようになった。誰もが皆「箱根を走りたい」と口にする。
 小子化の波を受け、私立を中心に箱根に出場して名前を売り、受験者を獲得しようとする大学側の思惑も過熱に拍車をかけた。
 指導者も経験を重ね、箱根を走るランナーも年々レベルアップしている・・・

 しかし、そこからが問題なのだ (^^;
 箱根を含め、学生時代に圧倒的な強さを見せた選手が、社会人になってから伸び悩み、消えて行く例が後を絶たないからだ。
 現早稲田の監督である渡辺康幸などもその一人だ。
 なぜこんな事が言われるようになってしまったのか・・・

 

 その一つが「箱根駅伝燃え尽き症候群」と呼ばれることばに象徴されるのではないか・・・

 女子には箱根に匹敵するような国民に注目されるような大きな大会が無いから、必然的にランナーは最初からマラソンを目指すしかない。
 しかし、男子はとにかく箱根に出て走りたいというのが長距離ランナーの目標であり、目的になってしまっているというモノだ。
 ここで活躍してしまうと、一応の目的を達成してしまうから、その後のモチベーションを保ちにくい・・・
 箱根駅伝を競技生活の最終目標にしているランナー達がどれほど居る事か。

 それに加えて、42.195kmを走るマラソンと、20kmそこそこを走る箱根駅伝とでは、全く別のスポーツである事を理解する必要がある。
 単純に、マラソンの半分の距離を走るのが箱根駅伝だなんて簡単に言う事はできないのだ。その証拠に、マラソンではゴールをした後で倒れ込むなんて選手はほとんど居ないが、駅伝では箱根に限らずタスキを渡した後に動けなくなる選手は少なくない。これは、マラソンと駅伝では走りの質が全く違う事を意味している。

 学生ランナー達は、高校の頃から箱根を目指すあまりに、20kmの駅伝を走るための練習を行い、すっかりそういう体質になってしまっているのだ。
 実業団に進んでも、ニューイヤー駅伝では活躍できるかもしれないが、ことマラソンという事になるとどうにも体がいう事を効かず、成績もパッとしない・・・

 

 こういう声がある事を鑑みて、箱根駅伝では昨年の第82回大会から、5区の山登りコースを変更する事に踏み切った。従来、箱根の5区は 24.7kmと区間最長とされて来たが、第42回大会以降 40年近く 20.9kmと区間最短のコースとなっていた。
 これを、23.4kmと区間最長とする事で、マラソンに対応できる強い選手を箱根から育てようという事からの変更だった。

 しかし下りの 6区は、選手への体の負担を考慮して、20.8kmと 5区と比べて 2.6km短い (^^; 事を忘れてはならない。

 

 確かに、箱根を走っている華々しい姿をテレビで全国にアピールするのは良い。しかし、そんな事を目標に競技生活を送っているなんて淋しいじゃないか。

「Boys be ambitious!」  

 学生諸君!大志を抱け!  世界が君たちを待っている!!!
 タカが「箱根」で競技人生を終わらせてしまっては、せっかくの才能も宝の持ち腐れではないか!

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コメント

今朝、札幌に戻って参りました。
改めて今年もよろしくお願いします。
それにしてもおもしろそうな本ですね。
指摘もユニークだけど、的を得ていそう。
本来は関東選抜大学駅伝という感じですからねえ。
でも一番注目を浴びる大会だし、
伊勢の全日本よりも権威もある。
しかも実業団トップの群馬のニューイヤー駅伝よりも注目されるわけですからね。
ここを目指すというモチベーションは、
ランナーである以上、確かに必要ですよねえ。
でもその先にある実業団となると、
毎年トップからわずかな人たちだけが食べていける世界ですものねえ。
ともかく、読んでみます。

投稿: むうさん | 2007年1月 9日 (火) 14:17

 むうさん、どうもです (^^)/

  (゚◇゚;)~!!!・・・
 もう札幌に戻られたんですか (^^;
 ここ10日くらいの間に、どれだけの距離を移動なされたんですか(笑い)

 それはそうと、記事中の写真の本ですが、私は読んでいません (^^ゞ
 たまたまおもしろそうなタイトルの本が検索で引っ掛かって来たので記事のツマに載せただけです。
 誤解を与えたようなら謝ります m(_ _)m
 ただ、箱根が男子マラソンに悪影響を与えているのではないかというのは以前からある声でして、そういう事もあるのかもしれないと思うようになりました。

 過去に実績のある五輪ランナーの森下広一や中山竹通、君原健二、最近では油谷繁なども、箱根を走った事はありません。むしろ、箱根を走った瀬古や谷口などの方が異例なのかもしれません(苦笑)

投稿: 夢見るピーターパン | 2007年1月 9日 (火) 22:54

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