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2007年1月11日 (木)

幸福の黄色いハンカチ

20070110001  昨日、夕張について語ったのですが、一度も北海道に行った事のない私にとって、夕張の思い出といえばやはり「幸福の黄色いハンカチ」という事になる (^^;
 私の見た邦画の中では No.2 の評価だ (^^)v
 No.1は、なんといっても「砂の器」・・・

 ナンと言っても、高倉健倍賞千惠子武田鉄矢桃井かおり渥美清・・・等々、私の好きな役者たちが勢揃いだから (^^ゞ
 それに、監督が山田洋次とくれば、もう何も言う事はない(笑い)

 

 この作品は、武田鉄矢の役者デビュー作となるたいへん貴重なモノだ。もちろん、彼自身芝居の経験はないから演技は未熟で、それについては語るまでもないが、作品の上では高倉健が主人公で、相手役は倍賞千恵子という事になっている。

 この二人の人生模様を武田鉄矢を通した形で描き、それにからんで武田をサポートするのが実力派の女優である桃井かおりだ (^^)v
 武田鉄矢の拙い演技を、高倉健と桃井かおりがうまくリードしていて、それがかえってイイ味を出している。いったい誰があの特異なキャラである武田鉄矢をこの映画に起用しようなんて思いついたんだろう(笑い) 

 この映画で思いがけない武田の才能を見いだした山田洋次は、1978年の「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」や、1980年の「思えば遠くへ来たもんだなどの映画に次々と武田を起用し、1979年から始まる「3年B組金八先生」シリーズへのドラマ出演や、主演映画となる「刑事物語」シリーズ、さらには原作・脚本・監督も兼任する事になる「プロゴルファー織部金次郎」シリーズなどへの布石となった。

 

20070110002  この映画には、武田鉄矢の愛車として映画の重要な小道具となるマツダのファミリアが登場する。1977年の1月に登場したばかりの、シリーズ4代目となる5ドアハッチバックの真っ赤なファミリアが・・・

 北海道の大自然の中を走るこの映画によって、この車は市民権を得たと言っても過言ではないのではないか。実際、当時赤い 5ドアのファミリアは街中でよく見かけた。
 上の写真は、映画で使われたセットを保存してある炭坑住宅の中に展示している、武田鉄矢が実際に乗ったファミリアです。

 

 この映画のタイトルにもある「黄色い」色は、当然の事ながらこの作品のキーワードになっています。
 映画の中では、冒頭にスクリーンいっぱいに大映しされる黄色い文字のタイトルを見た後、黄色い色はほとんど使われていません・・・

 しかし、高倉が「黄色いハンカチ」ということばを二人に語った映画の終盤から、倍賞千恵子の待つ家へ向かうクライマックスにかけて、画面の中には様々な形で黄色い色が登場して、見る者にある種の期待を抱かせる・・・

 大道芸人が着ている洋服の色、道路を走る車の色、高倉健が佇む傍に咲いているタンポポの花、高倉はこのタンポポの花を1輪手折って手にしながら台詞を口にする。実に高倉健らしくない1シーンだ(笑い)
 そして、勢いよくファミリアが夕張に向かって走りだす・・・

 そうすると今まで白かった道路のセンターラインの色も急に黄色に変わる・・・ (^^;
 道脇に立っている道路標識の色も黄色なら店の看板、セールのポップ、踏切の遮断機にいたるまで、さりげなくではあるが実にたくみな形で黄色い色が次々に画面の中に登場する。まるでサブリミナル効果のように・・・ (^^;

 

 そして二組の幸せなカップルが誕生する (^^)v


 安直なストーリーではあるが、この映画はしっかりした脚本と演出によって作られており、決して陳腐な作品ではない。
 私はこういうハッピーエンドな話しが大好きだ (^◇^) 。。。ケラケラ

 

 この映画がヒットした事もあって、以後黄色い色は武田鉄矢のラッキーカラーとなった。
 ちなみに、私の好きな色も「黄色」です (^^)v

 だからというわけではありませんが、私の応援するジェフユナイテッド市原・千葉福岡ソフトバンクホークスも、チームカラーは黄色です (^^ゞ
 決して意図してそうしたのではなく、結果的にそうなった・・・という事は、やはり私にとって黄色は切っても切れない縁があるのだろう(笑い)

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コメント

ピーターパンさん、こんにちは。
黄色って、マイナスイメージのほうが強かったですものね。その黄色と幸せを結びつけたところなんぞ、さすが山田洋次ということになるのでしょうか。

投稿: むうさん | 2007年1月11日 (木) 16:36

 むうさん、どうもです (^^)/

 この映画は、もともとピート・ハミルのコラムを題材にした、ドーンの「幸せの黄色いリボン」がベースになっていますから、「黄色」は始めからありきだったのだと思われます。
 ただ、この歌をモチーフにして脚本を書き、素晴らしい作品に仕上げたのは、山田洋次のセンスといってもイイと思います。

投稿: 夢見るピーターパン | 2007年1月11日 (木) 19:31

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