八百長
「週間現代」の 2月 3日号の中に、おもしろい記事が載っている。
「横綱朝青龍の八百長を告発する!」というものだ (^^;
こういうネタは、以前なら「週間ポスト」のお家芸だった(笑い)
現代よ、オマエもか・・・ (ノ_-;)ハア…
「大相撲」はスポーツではない!「興行」なのだから、客が喜べば何でもアリの世界だと私は思っている。
そんな事をいちいちメディアで取り上げて、鬼の首でも取ったかのように「国民に対する背信行為・・・」などと騒ぎ立てるのはいかがなものか・・・
だいたい、大相撲の八百長なんて今に始まった事ではない。昔から延々と繰り返されてきた「大相撲の文化」だ(笑い)
千代の富士をはじめ、旭富士や曙など、八百長を繰り返してきた横綱は枚挙にいとまがない。だからといって彼等の残した成績や記録が色褪せるとは私は思わない。
客の方だってある程度はわかって見ているわけだから、おもしろくて楽しめればそれで良いのではないだろうか (^^)v
そういうのを、一般に「野暮」と言うんだよ、わかるかな、現代クン (^◇^) 。。。ケラケラ
大相撲をベースにして興されたプロレスなんか、あからさまな八百長やっているのに誰もそんな事問題にしてないじゃない、なぜ大相撲だけがそんなに騒がれなくちゃならないんだろう (?。?)
「国技」ナンて偉そうに構えているから、ねたまれているのかな(苦笑)
「八百長」ナンて言うと、たいていは実力も無いのに金を積んで星を買う事だと思っている方が居るから、こういう記事が書かれる事になる。
勘違いしてもらっては困るけど、八百長というのはある程度の強さがなければいくら金を積んだってそうそう受けてもらえるものではない。第一、いつもいつも星を買っていたらいくら金があっても続くわけが無い(爆笑)
力士が受け取る毎月の給料は、横綱が 282万円、大関が 234万7000円、三役で 169万3000円、平幕なら 130万9000円 だ。実際にはもっと複雑な計算になるからこれはあくまでも基本給に過ぎないけれど・・・
現代の記事では、1番 80万円程度で星が売り買いされると書いている。相手によって 100万円程度になる事もあれば 50万円程度の事もあると・・・
まぁ、優勝すれば1000万円手に入るし、取り組みにかけられる懸賞金も考慮すると、たとえば朝青龍なら今場所に341本の懸賞を獲得しているので、1023万円をその場で手にしている事になるので、十分にペイできるワケだけれど、金の授受だけで八百長が成立すると考えるのは早計だ。
仮に力量が五分五分の力士同士なら、勝つかどうかは取ってみないとわからないから、金を積まれたら星を売ってもイイという気持ちにはなるかもしれない。
しかし、相手が明らかに自分より技量が下の力士だったらどうだろう。取れば勝てる自信があるわけだから、金を積まれたからって星を売ろうとは普通は思わない。第一、平幕が横綱に勝てば「金星」を獲得できるわけで、横綱に勝てる自信があるのなら金星狙いに行くのではないだろうか?
金星は、横綱を倒したという満足感と共に、引退するまで月給が 1個ごとに 4万円加算される余禄もあるから、何年も土俵を勤めるのなら場所ごとに横綱を倒して金星を増やしていった方が美味しい (^^)v
それに、朝青龍の取り組みには実に多くの懸賞が付くから、横綱を倒して懸賞金を受け取るという計算も成り立つだろう。懸賞は 1本につき 6万円、そのうち 5千円が協会手数料として天引きされ、残った 5万5千円の内 3万円が土俵上で勝った力士に手渡される。残りの 2万5千円は協会が一時預り、年末に力士に返還される。
朝青龍の取り組みには20本近くの懸賞が付く事があるから、勝てばそれだけで100万円程度の金額を手にする事ができるのだ (^_^)V。
誰が考えたって、朝青龍が実力のない横綱なら、星を売るよりも勝って金と名誉を手にした方が得だと思うのではないか。
しかし、力の差がありすぎる場合には、どうせ取っても負けるのなら、金をもらって負けた方が得をしたと思うのが普通だろう (^^;
一般の人が不思議に思うのは、勝つと思う格下の相手になぜ大金を払ってまで八百長をするのかという事だろう。しかし、勝つと思っていても「勝負は時の運」ということばもあるとおり、必ず勝つという保証は無い。当り前ではあるけれど・・・ (^^;
だから、必ず白星が欲しい場合には金を払ってまで星を買うわけだ (^^;;;
もし、朝青龍が実力も無いのに星を買って全勝優勝をしたと仮定すると、少々つじつまが合わなくなって来る。記事には、06年の九州場所の全勝優勝は、実に 11番が八百長だったと述べている。記録がかかっているのだからそのくらいの事は十分に考えられるわけだけれど、そうすると残りの 4番はガチンコだったという事だ。記事では、2日目の普天王戦、4日目の岩木山戦、7日目の安美錦戦、8日目の稀勢の里戦・・・がガチンコだったとの事だが、本当の実力が無ければいくら他の星を買っても、ガチンコで勝てなければ全勝などという記録は残せない(笑い)
四人の力士はいずれも一癖も二癖もある強者だから、ここで勝つ自信がなければ、そうそう星を買おうなんて思うワケがないのだ(笑い)
それ以前に、ガチンコ力士以外の取り組みが全て八百長だと言うのは少々乱暴でもあるし、相手の力士に対しても失礼ではないのか。中には確かに八百長の取り組みも合ったのかもしれないが、11番全てが八百長だとはさすがに思えない・・・ (^^;
記事の中では、さらにおもしろい事が書かれている。横綱が「シナリオ」を作って八百長の取り組みを行っているというのだ (^◇^) 。。。ケラケラ
まぁ、そういう事もないワケではないだろうが、それはいかにも素人の考えだ。
八百長の取り組みというのは、勝負が長引けばどうしても不自然さが目立つから、あまり組んだり土俵際でもつれたりはしないものだ。なぜなら、そういう取り組みになってしまうと、予定外の事が起こる事もあり得るから・・・ (^^;
だから、たいていはアッという間に勝負が決まるように事前に取り決めるのが普通だ。
一番自然な取り組みは、負け役は立ち合いの際に頭を低くして突っ込んで行き、相手が上から叩くという「はたき込み」だ (^^)v
一番確実で、誰の目にも八百長をしているかどうかなんて判断がつきにくい(苦笑)
最近の決まり手に「はたき込み」等の前に落ちる決まり手がやたらに多いけれど、だからといってそれらが全て八百長だとは思ってほしくはないが・・・ (^^;
「大相撲」を、ひたすらに正直に見ている人がそれほど居るとは思わないけれど、こんな事を記事にしても誰が得をするのだろう (?。?)
話題作りにはいいのかもしれないけれど、だからといってナンでも正直に伝えれば良いというものでもないと思うのだが・・・
世の中、知らない方がイイ事だって少なくないのだ(笑い)
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コメント
ピーターパンさん、こんばんは。
ま、朝青龍が八百長というのは、
この必要性と彼が相撲協会で置かれている立場から言って、あまり説得力はないですよね。
ただ週刊現代の記事は、仮に事実とすれば、
情報として流されてしかるべきだと思います。
大相撲といっても、やっぱり八百長というのは、
この際許されるべきではないでしょう。
投稿: むうさん | 2007年1月24日 (水) 22:51
むうさん、どうもです (^^)/
現代さんは、次週でも大相撲の「八百長構造」を取り上げると息巻いています (^^;
一方の北の湖理事長は、法的手段も含めて考えると語っていますが、いったいどうなる事やら・・・
ポストの時にも似たような事はありまして、結局うやむやになってしまいましたが・・・
そういえば、板井の告発はその後どうなってしまったんだろう(苦笑)
私の記事の中で「八百長は大相撲の文化」だと書きましたが、ちょっと勇み足だったかな (^^ゞ
言い過ぎましたけど、個人的には大相撲の八百長なんてぜんぜん問題にしていません。
でも、たとえばプロ野球で八百長があったら許せないでしょうね。
大相撲とプロ野球・・・ 両者にどんな違いがあってなぜそう思うのか説明はできませんが・・・ (^^ゞ
もしかして、プロ野球はスポーツで、大相撲はしょせんエンターテイメントだと思っているからなのかな・・・
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年1月24日 (水) 23:39
こんばんは。大変興味深く拝見しました。
完全に興行だった勧進相撲は八百長が半ば公認されていたようですし、大相撲全体の構造から見て八百長は皆無というわけでなないでしょうね。
ただ、気味が悪いのは「何故今?」という疑問です。光あれば影があるように、横綱が大変強かった時代に、その裏側で変な話があってもおかしくありません。しかし、例えば大鵬や貴乃花のときには(少なくとも彼らの現役時代には)そんな話はあまり表面に出なかったのに、何故朝青龍が大々的に槍玉に上げられているのでしょうか?品格云々ならまだしも、よりにもよって八百長ネタで。今回のことでも、協会が会見して名誉毀損にでも訴えればそれで済む話が、現役横綱(青)を法廷に立たせていますよね。こんなことは過去に例があったでしょうか?
いわゆる八百長報道にせよ、週刊誌レベルならまだしも、最近は全国TVのニュースで報道されているのが、見ていて嫌だなと思いました。
長文失礼しました。
投稿: YOSHI | 2008年10月21日 (火) 23:48
YOSHIさん、どうもです (^^)/
「なぜ今?」というよりも、八百長報道はいつの時代にもあった事で、例えば貴乃花の頃には週間ポストが八百長報道を繰り返していました。
マスコミなんて、売れればネタなんてなんでもいいわけで、ある事ない事書き立てるのが週刊誌というモノの常です。
書いた記事が訴えられるなんてよくある事ですからね(苦笑)
おそらく、今回もいつものように、うやむやで終わってしまうんでしょうし、世間も、すぐに忘れてしまうと思いますよ(笑い)
投稿: 夢見るピーターパン | 2008年10月22日 (水) 07:27