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2007年4月23日 (月)

弔い選挙

20070423001  現職の長崎市長である伊藤一長氏が、選挙運動中に凶弾に倒れるという、日本ではおおよそ考えられないような狂気の選挙戦が繰り広げられた長崎市長選で、昨夜補充立候補した前市課長の田上富久さんが、一長氏の娘婿である横尾氏を小差でかわして初当選を決めたと報じられた。

 

 政治家が亡くなったことを受けて、子供や親族などの「身内」の世襲候補が立候補した選挙を一般に「弔い選挙」といい、日本人の国民性を考えた場合、同情票が集まって圧勝するケースがほとんどで、かつて弔い選挙で負けた例を私は知らない・・・

 今回も、不謹慎な言い方になるけれど、一長氏が暴力団に撃たれて亡くなった事を連日ニュースで報道された事を受け、娘婿に対する絶好のアピールになるし、同情も集まるので、横尾氏の圧勝になると私は単純に考えていた・・・
 まして、伊藤一長氏のこれまでの政治家としての業績を考えれば、当然市民たちも娘婿に投票するだろうとの思いは想像に難くない・・・
 しかし、今回の長崎市長選では、横尾氏と一緒に補充立候補をした田上氏の方に軍配が上がった・・・
 市民の「世襲」を疑問視する声は予想以上に大きかったという事だ。

 

 氏が亡くなって、仕切り直しの選挙戦は、両氏にとってわずかに3日間という超短期決選だったのは同じ条件。しかも、顔も名前も誰も知らない田上氏は圧倒的に不利に思われた。
 それでも、市民たちは一長氏の親族ではなく、田上氏の方を選択した。これは選挙史上、極めて異例の出来事だったのではないか・・・

 

 今回、横尾氏の出馬を受けて、出遅れた感じで出馬を決めた田上氏が掲げたのが「脱世襲」だった。

 一般的に「世襲候補」に対する批判はよく耳にする。親の七光を受けて出馬する候補者に対する風当たりはそうとう強い・・・
 いわゆる、サラブレッドに対するコンプレックスとでもいうか、ひがみとかねたみ、やっかみの類いがそういう声を後押しするのではないかと個人的には思っている。
 世襲候補というだけで、毛嫌いしているのではないか・・・

 

 私は、世襲候補をことさら養護するつもりはない。ただ、そういう選択肢もアリだと考えている一人だ。
 政治家に必要なものという事で、昨年の12月、そのまんま東氏の出馬に向けての報道を受けて書いた記事の中でも述べたが、二世議員などの「世襲」は、私は否定的ではない。というよりも、前向きな方向で考えている。
http://yume-peterpan.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_a801.html

 

 事実上、補充立候補した横尾氏と田上氏の、新人二人の一騎打ちとなった長崎市長選で、長崎市民は「世襲」ではなく、長崎市をよく知った一人の「行政マン」を選んだ・・・

 しかし、今回の長崎市長選、全国で大きなニュースになったワリには地元では盛り上がりに欠けたようだ。
 投票率は、55.14% と、ショッキングな事件があったにも拘わらず、思っていたほど高くはない・・・ (^^;
 有権者にしても、たった3日間で何をどう判断して良いものか、相当の途惑いもあったようだ・・・


20070423002  また、無効票も14,000票もあったと報じられてもいる。これは、総投票数の約7%にも上る見逃すことのできない数字であり、今後の選挙に対してもしっかり善後策を考えてもらいたいモノとなった。

 なぜなら、一長氏が亡くなる前に投じられた期日前投票の多くは、伊藤一長氏に投じた票が相当数を占めていたというし、当日の投票でも伊藤一長氏の名前を書いたものがかなりあったという・・・
 あらためて、伊藤一長長崎市長がどれだけ市民に愛されていたかを物語る、貴重な有権者の声だと私は考えている。
 当選した田上富久氏の得票が、78,066票だから、この14,000票もの無効票がどれだけ重い意味を持つのかがおわかりいただけると思う・・・ (__;)

 

 個人的には、横尾氏の落選に落胆の思いを禁じ得ない・・・
 落選の報に接し、公の場で思わず「恨み言」を洩らしてしまった写真の長女を、私は責めることはできない・・・ (__;)

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コメント

ほんと、意外だったですねえ。
娘さん。「父が愛した長崎市民にこんな仕打ちをうけるとは」と感情をとり乱したそうですが、
気持ちは分かるけど、
それは言っちゃいけないですよね。

投稿: むうさん | 2007年4月23日 (月) 15:15

 むうさん、どうもです (^^)/

 そうなんですよ・・・
 それは絶対に言ってはいけないんです・・・
 おそらく、ずっと情に訴えるような選挙戦をして来たと思います。だから、ついホンネが出てしまったんじゃないかと・・・ (^^;
 後援者の誰かが言ったコメントならやむを得ないと思いますが、身内がそれを言っちゃぁ、おしめぇよぉ・・・
 これでは、次の選挙戦には出馬も難しいですよ (^^;
 どんな事があっても、有権者を敵に回してはいけません・・・

投稿: 夢見るピーターパン | 2007年4月23日 (月) 18:00

これまでの日本社会であったら、当然同情票がたくさん入って圧勝だったんだろうけど、長崎市民は感情よりも実情を選んだと言うことかな。田上さんの「世襲反対」論に、説得力があったのだと思います。
ただ、期日前投票をした票が全て無効扱いになってしまったのは残念!!

投稿: ★なまはげ | 2007年4月23日 (月) 20:33

 なまはげさん、どうもです (^^)/

 いずれにせよ、選挙に負けてしまっては「タダの人」でしかありません。
 端から見て、圧倒的に有利な立場であったにもかかわらず、落選してしまうという事は、取りも直さず政治家にとって一番大事な「人を惹きつける魅力」が決定的に足りないという事でしょう。

 残念ながら、今回の件で横尾氏は政治家としては不向きな事が証明されたと私は思います(苦笑)

投稿: 夢見るピーターパン | 2007年4月23日 (月) 22:15

こんばんは^^

うんうん・・・長崎市長選!
かなりの興味がありました。
私は、長崎人なのですが、市内ではないので投票には行けません。
娘さんのコメントもテレビで見ました。
本音なんでしょうが・・・厳しいですね。

あの忌まわしい事件の日、高速入り口で検問があってて、やたらと警察が多いなと思って帰宅してました。
まさか!まさか!で驚きました。

何年か前の敬老の日のお祝いに、うちの施設にも来られたことがありました。
とてもにこやかな人でした。
長崎市民からの支持も高かった。

ご冥福をお祈りいたします。

話しが脱線しちゃいましたね。
すみません。

投稿: キミちゃん | 2007年4月23日 (月) 22:19

 キミちゃん、どうもです (^^)/

 渦中の人でしたか・・・ (^^;
 私のように「テレビの中の人」とは違って、ご本人をご存知だと同じ事件やニュースでも感じ方は相当違うんでしょうね。
 言いたい事を言ってますが、お気に障る事があったらお許し下さい・・・

 今回の長崎市長選は、やはり興味を引かれるものでした。しかし長崎県人でも市民でもない私にとっては、あくまでも野次馬根性的なものでしかないわけで、当事者たちにとっては私の私見などは論外なのかもしれません (^^ゞ

投稿: 夢見るピーターパン | 2007年4月23日 (月) 23:42

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