推挙伝達式での口上
日本相撲協会は、30日午前、両国国技館で「番付編成会議」と「理事会」を開き、白鵬の「69代横綱昇進」を満場一致で正式に決め、東京都墨田区の宮城野部屋に使者を派遣し、昇進を伝達したと報じられた。
注目の、白鵬の口上は「謹んでお受けいたします。横綱の地位を汚さぬよう、精神一到を貫き、相撲道に精進いたします」というものだった。
大関や横綱の昇進時に述べる口上というと、つい「四字熟語」を連想してしまうのではないだろうか(笑い)
かつて、貴乃花や若乃花が「不惜身命」とか「堅忍不抜」ナンて聞いた事もないようなことばを述べてから、「口上」=「四字熟語」みたいなイメージがついてしまって、大関や横綱になる時には誰でもそういうことばを用いて口上を述べるような印象を持っている方も多いと思いますが、実はこれは当時の藤島部屋だけの「流行」であって、一般には「横綱(大関)の地位を汚さぬよう、稽古に(相撲道に)精進いたします」というような、ほぼ定型の口上で応じるのが慣例だった。
全く、何かにつけてパフォーマンスが得意だった藤島部屋らしい一時期の風潮だった。
とはいえ、その後の朝青龍や白鵬が大関に昇進した時にも、それぞれ「一生懸命」とか「全身全霊」ということばを用いているから、これが四字熟語といえばいえない事もない(苦笑)
今回も、白鵬は口上に「四字熟語」を折り込むと以前より公言していて「精神一到」という一般的とはとても思えないことばを使った。
貴乃花を尊敬しているという事から、自身も同じような口上を述べたかったのだろうか・・・
なぜわざわざこんな聞き慣れないことばを使わなければならないのだろう (ノ_-;)ハア…
私は口上に聞き慣れない「四字熟語」なんてモノを用いる事には反対だ。
普通に「一生懸命」で良いのではないか。全く、悪い風潮だと思う・・・ (__;)
こんな難しいことばを用いる事で、口上に重みとか格式のようなものを出そうとでもいうのだろうか(笑い)
笑わせてくれるじゃないか (^◇^) 。。。ケラケラ
ちなみに、以下は歴代の横綱が、横綱推挙伝達式で使者に述べた口上の一覧です。
メインの部分だけですから、本来はこの前後に「謹んでお受けいたします」と「本日は誠にありがとうございました」ということばが付いていたはずですが (^^ゞ
○第68代横綱 朝青龍明徳 「横綱の名を汚さぬよう、稽古に精進します」(本当は『日本の心』を入れるはずだった)
○第67代横綱 武蔵丸光洋 「横綱の名を汚さぬよう、精進体に致します」(本当は『横綱の名を汚さぬよう、心技体に精進致します』と言うはずだった)
○第66代横綱 若乃花 勝 「横綱として堅忍不抜の精神で精進していきます」(誤って『けんしんふばつ』と言った。
○第65代横綱 貴乃花光司 「横綱の名を汚さぬよう、不撓不屈の精神で相撲道に不惜身命を貫きます」
○第64代横綱 曙 太郎 「横綱の地位を汚さぬよう、稽古に精進致します」
○第63代横綱 旭富士正也 「横綱の名を辱めぬよう全力を尽くして努力精進し、健康に注意しながら心技体の充実に努めます」
○第62代横綱 大乃国 康 「これからも初一念を忘れずに精進努力し、また健康に注意し、横綱を一生懸命務めます」
○第61代横綱 北勝海伸芳 「横綱の名を汚さぬよう、これからも一生懸命稽古をし、努力します」
○第60代横綱 双羽黒光司 「心技体の充実に心懸け、横綱の名に恥じぬよう一層稽古に精進致します」
○第59代横綱 隆の里俊英 「節制に努めて努力、精進致します」
○第58代横綱 千代の富士 貢 「横綱の名を汚さないよう、一生懸命頑張ります」
また、以下は最近の大関が、大関推挙伝達式で使者に述べた口上の一覧の一部です。
○白鵬 「大関の地位を汚さぬように、全身全霊を懸けて、努力します」(本来は「一生懸命努力します」の予定だった)
○琴欧州 「大関の名、大関の名に恥じぬように、稽古に精進します」
○朝青龍 「大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」(本当は『努力、精進致します』を考えていたが、頭の中が真っ白になって忘れた)
○栃東 「大関の名に恥じぬよう、稽古に励み、努力精進致します」(実は「大関の名を汚さぬよう…」と言う予定だった)
○魁皇 「大関の地位を汚さぬよう稽古に精進します」
○雅山 「大関の名を汚さぬよう、初心を忘れず相撲道に精進、努力致します」
○武双山 「大関として常に正々堂々、相撲道に徹します」
○出島 「力の武士(もののふ)を目指し、精進、努力致します」
○千代大海 「大関の名を汚さぬよう相撲道に精進、努力致します」
○貴ノ浪 「今後は相撲道に勇往邁進する所存です」
○武蔵丸 「日本の心を持って相撲道に精進致します」
○若乃花 「今後も一意専心の気持ちを忘れず相撲道に精進致します」
○貴乃花 「今後も不撓不屈の精神で相撲道に精進致します」(ほぼ定型なものとなっていた伝達式で、口上に初めて四字熟語を用いて新風を吹き込んだ。四字熟語の歴史はここから始まった)
○曙 「大関の地位を汚さぬよう稽古に精進致します」
○旭富士 「これからはより一層努力精進し、大関の名に恥じぬよう頑張ります」
○大乃国 「大関の本分を守り、稽古に精進し、今後とも皆様の御指導を宜しくお願い致します」
○北勝海 「大関の名を汚さぬよう、これからも稽古に精進し、努力します」
○千代の富士 「大関の名を汚さぬよう、一生懸命頑張ります」
蛇足ですけど、69代目ですか・・・ (^^;
つい、不謹慎な事を連想してしまう自分が悲しい・・・
(。_°☆\(- - )
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