阿久悠が逝く
希代の作詞家、阿久悠が昨日亡くなった・・・
マスコミ的にも、存在感も影響力も大きかった氏の訃報に接し、今朝のラジオは、氏の作品の数々を大きく取り上げて偲んでいる・・・
氏の残した作品の数は、約六千曲ともいわれ、その多くがヒット曲として我々の耳に届けられた。
そのタイトルを聞けば、この曲も阿久悠の作詞だったのかと少なからず驚かされるのではないか・・・
おそらく、氏の作品を一度も耳にした事が無いという方は、この日本には存在しないだろうと思えてならない・・・
そういう私も、音楽好きの一人として、阿久悠の作品には子供の頃から当たり前のように接して来たので、人一倍の思い入れは確かにある・・・
70年代の歌謡界は、間違いなく阿久悠が一番輝いていた時代だ。この頃に中学・高校と多感な十代の日々を過ごした私の耳には、いつも阿久悠の歌が聞こえていたような気がする・・・
それほど、あの頃は阿久悠の歌詞が歌謡界を席巻していた・・・
阿久悠の歌詞には、ドラマがあった。人情があった。夢があった。
今のように、ことばを並べただけのどうでもいいような歌詞は存在しない・・・
先日、最近の歌に感じている「歌詞のない歌」という記事を書いた事があるので、合わせてお読み頂きたい。
http://yume-peterpan.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_4b65.html
阿久悠の書き上げた詞は、いずれの作品も、歌の詞とはかくあるべしと思わせてくれるだけの「格調」も「重み」も確かにある。
こういう味のある歌を聞いていると、良いなぁとしみじみ思えてくる・・・
歌の世界にどっぷりと浸ってしまいそうだ・・・
氏の作品の代表的なシンガーとしてピンク・レディーがいる。彼女たちの歌のほとんどを阿久悠が手掛けた。
私は、キャンディーズのファンだったので、ピンク・レディーにはそれほど思い入れはないが、それでもヒット曲のいくつかは知っている (^.^ゞポリポリ
彼女たちの初期の作品に「UFO」という大ヒット曲があって、ピンク・レディーを代表する作品になっているが、私は、この曲の大ヒットがピンク・レディの失敗の始まりだったのではないかと常々思っています(笑い)
どういうことかというと、この曲のテーマが「宇宙人」という見た事もないような大きなモノだから、始めにこの曲がヒットしてしまった事により、続く作品がどうしても小さく見えてしようがない (^^;
案の定、「宇宙人」→「王選手」→「怪物」→「透明人間」→「カメレオン」・・・と、テーマがだんだん小さくなっていった(笑い)
そうなると、作品の印象も魅力もだんだん薄くなってしまうのは否めない (^^;
終いには、かつての夢の国であった「ジパング」や、ヴィレッジ・ピープルの「In The Navy」をカバーした「ピンク・タイフーン」ナンてモノでお茶を濁さざるを得なくなって解散へとつながっていく・・・ (__;)
これが逆に、身近な小さなモノから始まって、だんだん大きなテーマになっていったとしたら、ピンク・レディーはもっともっと芸能界で長生きできたような気がする(笑い)
いや、年齢的な事もあるから、やはり10年が限界だったのかもしれないが、それにしても興行的には、人気の面でも収入の面でも超えていたんじゃないかと思えてならない・・・
一連の作品の登場順は、ピンク・レディーとしての興行的な失敗であり、阿久悠としての作品作りの失敗といえるのではないか・・・ (^.^ゞポリポリ
もちろん、新人歌手がブレイクするためには、最初に大ヒット曲が必要であり、そういう意味では「UFO」の商品戦略は正しかったといえるわけだが・・・
氏が作詞した作品のなかに、私の愛する福岡ダイエーホークスの球団歌である「ダイヤモンドの鷹」があるといいますが、私はほとんど聞いた事がありません (^.^ゞポリポリ
今でこそネットで様々な情報はいうまでもなく、試合の動画まで見られたりしますが、当時は試合ですらマトモに見た事はなく、選手たちの顔すらも知らなかったくらいですから(笑い)
ホークスの球団歌といえば、私にとっては「いざゆけ若鷹軍団」しか知らないので、それも情けない事ではありますが・・・ (^.^ゞポリポリ
蛇足ですが、「阿久悠」のペンネームは「悪友」をもじったモノという事で、けっこう有名な事はご存知の通りです・・・ (^.^ゞポリポリ
ファンの一人として、心よりのご冥福をお祈りいたします・・・ (合掌)
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コメント
宇宙人→王選手→怪物→透明人間→カメレオン。
なるほど、段々小さくなっていきますね。
最初はおっきくいきたかったんだろうなあ。
投稿: むうさん | 2007年8月 3日 (金) 15:55
むうさん、どうもです (^^)/
ピンク・レディに限った事ではありませんが、最初にビッグヒットを飛ばすと、その後の作品にどうしても影響が出ますよね。
アーティストのカラーとかも含めて、それを超えて行くのはなかなかたいへんな事だと思います。
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年8月 3日 (金) 18:05