自己責任
昨日、仕事で昭島市へ行って来ました。
中央道の八王子ICで下り、国道16号線で多摩川に架かる「拝島橋」を渡って向かいました。橋を渡ったのは14:00~15:00頃・・・
行きと帰りと二度「拝島橋」を渡ったのですが、眼下の多摩川は茶色の濁流がごうごうと逆巻いて流れていました・・・ (^^;
あいにく、交通量も多く、カメラを構えているヒマがなかったので、多摩川の様子は写真に納める事はできませんでした・・・ (^^ゞ
代りにといってはナンですが、それとは別に、首都高の中央環状線を走った時に、荒川の四つ木付近の模様を撮ったモノをアップしてみました。
多摩川ほどは恐い感じはしませんでしたが、それでも水かさを増した濁流のそばに、ホームレスの人達が作ったと思われる「小屋」が点在しています・・・
その多摩川の下流にあたる世田谷区では、一時、740世帯に避難勧告が出されたものの、避難所となった二子玉川小学校体育館に避難して来た人は、4世帯6人だけだったと伝えられた。
その一方で、大田区や川崎市中原区の多摩川河川敷では、多くのホームレス小屋が濁流につかり、川の中に取り残されて身動きがとれなくなった人達が、東京消防庁などの懸命な救助作業で助け出されたとも報じられた・・・ (__;)
東京消防庁のまとめでは36人が救助されたが、少なくとも3人のホームレスが流され、行方不明となっているという。
こういうニュースを耳にすると、1999年の8月に神奈川県の山北町で発生した「玄倉川水難事故」をどうしても思い出してしまう・・・
玄倉川の中州でキャンプをしていた家族たちのうち、再三の警告を無視したあげく、最後まで中州にとどまった18人が濁流に流され、うち子供4人を含む13人が無くなってしまったという最悪の水難事故だ・・・
この時の救助の模様は、テレビカメラを介してお茶の間に流され、家族たちが濁流に飲まれ消えて行くところまで全国中継された・・・
当然、再三の避難の呼びかけを無視し、キャンプを続けた家族たちに対する非難も上がったし、逃げ遅れた人が居るのにもかかわらず、ダムの水を放水した行政にも非難は集まった・・・
しかし、ダムの放水はさらなる被害を防ぐためにもやむを得ないものであっただろうし、濁流に飲み込まれて亡くなった家族たちには「自己責任」という厳しい世論が突きつけられたりもした・・・
私も、この時の救助の模様をテレビで見ていた一人で、亡くなった人達は気の毒だとは思ったものの、ことばは悪いが「自業自得」という思いがどうしても拭いきれなかった・・・
むしろ、こういうバカ者を救助するために、危険を顧みずに命懸けで濁流と格闘していたレスキューの人達が気の毒でならなかった・・・ (__;)
翻って、昨日のホームレスの救助作業であるが、全く同じに思えてならない・・・
新聞の中には、チラシを配ったり、呼びかけたりという再三の避難勧告にもかかわらず「逃げないから悪い」で片付けてしまえる問題だろうかと述べている記事もあった・・・
しかし、自分が河川敷に確保した「家」を離れたら、別の人に取られるからと避難に難色を示した人が居たという事実や、救助に向かったヘリコプターに向かって男性が手で「×印」をつくり救助を「拒否」したという事実は、自らの意志でそこに残っていたわけですから、そういう人達に対して命懸けの救助を行う必要がはたしてあるのだろうかと私には思えてならない・・・
たとえ、どんな状況にある人であっても、「人命優先」が消防署員や医療にかかわる人達の使命であり、それが仕事であるということを考えると、私のような考えは根本的にあってはならない事ではあるのだろうが、救助に向かったヘリの中で、一生懸命に手を差し伸べているのにもかかわらず、その手を掴もうとしないで濁流に飲まれていく人を目の前で見たとしたら、その隊員はかなり理不尽な思いをする事になるのではないだろうか・・・
もしかしたら、なぜあの時に助けてやれなかったのか、もっと他に方法が無かったのかなどと、心のキズになってしまう隊員が出るかもしれない・・・
人命がかかわっているだけに、軽々しく「自己責任」などと言う事は許されないのかもしれないが、だからといって「我が儘」や「軽挙妄動」で他人を振り回し、それによって他人の命を危険にさらしても良いという事にはならないと私は思うのだが・・・
誰にとっても、命は一つ、かけがえのない大切なものナンだよ。もっと自分の命を大事にしようよ。
それが、巡り巡って、他人の命をも大事にするということになるんだと思うよ。
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コメント
たしかに、濁流の中で救助を求める姿には、
何かやりきれない思いがします。
自分の命は自分でまもるという、
動物としてもっとも基本的な部分が、
弱くなっているのでしょうか。
投稿: こやなぎ名人 | 2007年9月 8日 (土) 15:21
名人、どうもです (^^)/
少なくても、危険には近寄らない。
その道の専門家の意見は素直に聞く。
そうすれば、増水する危険性のある川辺や中州にとどまるなんて無謀な事はしないと思うんですがねぇ・・・
ナニがあっても、自分の「命」より大事なモノなんて、そうそうはないと思うんですが・・・
河川敷の小屋は自分の命よりも大切だったとでも言うんでしょうか・・・
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年9月 8日 (土) 16:34
取り残されたホームレスよりも、避難勧告が出されながら殆どの人たちが避難しなかったという方が怖く感じてしまいます。自分だけは大丈夫と過信しているのでしょうか??行政からの災害時の勧告には素直に応じて欲しいものです。余計な心配や手間を掛けさせないのも、大災害時に必要な心掛けです。
投稿: ★なまはげ | 2007年9月 8日 (土) 20:00
なまはげさん、どうもです (^^)/
おっしゃるとおりだと思います。
1%の人しか指示に従わないような勧告では、ナンのために出されたのかと思いたくもなります。
しかし、やたらと避難できない事情もあるんですよ (^^;
何しろ、都会は物騒ですから・・・
近所に住んでいる人達の顔も名前も知らないナンてのはざらです。そんな中で、あからさまに家を留守にしては、ナニをどうされるかわかったモンじゃありません・・・ (__;)
都会では、誰がどこをうろついていても不審には思われないんですよ (^^;
先の、新潟県中越地震で甚大な被害を受けた旧山古志村では、村民が長岡市などに避難している間に、留守宅を狙った多数の盗人が出没したと報じられました・・・ (__;)
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年9月 8日 (土) 20:55