背水の陣
昨日の九州場所の二日目、大相撲史上ワーストとなる11度目のカド番を迎えた大関魁皇が、初日の相撲とは打って変わって、雅山を立ち会い鋭くイッキに寄り切って白星を挙げた・・・
皆さんは、この一番を見て、どのような感想をお持ちなのだろうか・・・
おお、魁皇やるじゃん、こんな力強い相撲が取れるんならまだまだ大丈夫だ・・・
そんな楽観的な感想をお持ちの方は居らっしゃらないだろうか・・・
しかし、私の感想は違う・・・
この一番を見て、あらためて魁皇の引退が近い事を確信した・・・
今日の正面の解説の音羽山親方(貴ノ浪)も言っていたが、もう、魁皇はなりふり構わないこのような相撲でしか勝てないという事を自ら証明してみせた・・・ (__;)
立ち会い鋭く踏み込む・・・これは格下の力士が上の地位に居る力士相手に取る戦法だ。己の力の足りないところを相手よりも一瞬でも早く立つ事によって補おうとするごく初歩の戦法・・・
初歩の戦法とはいっても、体格に恵まれない力士がよく使う手でもある。横綱でも、かつての千代の富士や朝青龍が見せたスピーディな立ち合いだから、それ自体は別に悪い事でも卑怯な事でもない(笑い)
ただ、横綱や大関たちが時に見せる「後の先」、つまり受けて立つという相撲はもう魁皇には望むべくもないという事で、見ていて辛い勝利でもあった・・・
組み止めてしまったら、魁皇にはもう勝ち目がない事を自ら知っているから、そうならないように相手よりも先に立ってイッキに前に出て寄り切ってしまうしかなかったわけだ・・・ (__;)
まぁ、昨日はたまたま作戦が図に当たったというか、雅山としてもまさか魁皇がこんな鋭い立ち合いをして来るとは思ってもいなかったろうから、どうしようもなかったわけですが、魁皇のあの一番を見た以上、今日からはそうはうまくはいかないだろう・・・
とりあえず、魁皇の出足さえ止めればあとは恐くはないわけですから、立ち会いの変化で対応するとか、他にもいろいろと手はあると思います。
これまでは、他の力士たちも今までの魁皇という事を前提にして戦って来たわけですが、これからはなりふり構わずに来るとわかれば、それなりの対応をする事になります・・・
勝っても、魁皇に今までのような笑顔が無かったのは、奥の手を見せてしまった事で、今日からの取り組みが苦しいものになるであろう事を悟っているからだと思います・・・
まさに「背水の陣」、後には引けなくなりました・・・
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コメント
魁皇はもうとっくに限界になっているように見えます。それにしても地元場所で角番とはつくづく最悪の状況だと思います。
今朝の新聞でも、魁皇の取組が悲壮な記事で紹介されていました。勝負師は憎たらしいと思われてナンボ、同情されれば引き時…なんじゃないでしょうか。
投稿: YOSHI | 2007年11月13日 (火) 08:46
YOSHIさん、どうもです (^^)/
おっしゃるように、魁皇の賞味期限はとっくに過ぎていると私も思っています。
しかし、魁皇の場合は、故郷で本場所が在る・・・ おそらくこの事が今日まで現役を続けて来られた大きな理由だと思います。
人は、自分のためにはあまり頑張れませんが、誰かのためには思っているよりもずっと大きな力を出す事ができます。それが故郷のファンのためか、家族のためか、はたまた協会のためなのか・・・
とにかく、心に支えがある限り魁皇は土俵に上がり続けるだろうと思います。
潔く見を引くという選択がないわけではありませんし、多くのアスリートがそうして来た事も事実ではありますが、私は最後まで現役にしがみつき、ジタバタともがき続けるアスリートの方が好きなんですよ (^.^ゞポリポリ
ボロボロになって辞めていく・・・ 魁皇もそういう私好みのアスリートだといいな (^^;
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年11月13日 (火) 09:16
ピータさん、こんにちは。
私も「ボロボロ大いに結構!」と思っています。ただし、三役でそれをされるとどうかな・・・?というのもやはりありますね(汗)。
投稿: ナンカイです。 | 2007年11月13日 (火) 12:44
ナンカイさん、どうもです (^^)/
さすがに三役でボロボロだとねぇ (^◇^) 。。。ケラケラ
でも、そういう身を晒すようだと、当然三役からも陥落、平幕も勤まらずに十両へ・・・ (^^;
かつての小錦や霧島ナンかが、いつまでも現役にしがみついているのを見て、とやかく言う人も居たようですが、私は応援していましたね (^^)v
一生懸命に頑張っている姿が大好きでしたよ (o^∇^o)ノ
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年11月13日 (火) 13:02