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2008年8月27日 (水)

1日100人

 かつて、「交通戦争」ということばがあった・・・

 昭和30年代、高度経済成長期にあった我が国で、増加する交通事故がかつての日清戦争などの死者数を超える勢いで増えていった事から、事故死などという生やさしいものではもはやなくなった事を戦争に喩えて言われたものだった。

 特に、昭和45年(1970年)には、年間の死者数が16,765人と、史上最悪を記録した。
 しかし、最近では減少傾向にあり、2000年に一万人を切ってからは、さらにその傾向は強まり、05年度からは6千人台へとなった・・・
 しかし、そうはいっても、今でも一日20人前後の人達が交通事故で亡くなっている事に変わりはないわけで、依然その脅威が去ったとは言えない・・・

 

 しかし、その5倍、一日100人近くの命が、毎日毎日亡くなっている事はあまり大きな報道にはなってはいない・・・ (^^;

 どうしてだろう、交通事故の時には年間1万人が亡くなっただけであれほど大騒ぎしていたのに、年間3万人以上もの人が亡くなっているのに、死因が自殺だとマスコミの誰もがそれを大きく取り上げようとしないのはなぜだ (?。?)

 

 総務省の発表によると、日本の自殺者は1997年までは年間2万5千人前後で推移していたが、1998年に3万人を越えると、以後は3万2~3千人もの自殺者が毎年出ているという・・・
 先日発表された昨年度の自殺者は、33,093人だった。

 先にも述べたが、これは、1日100人近くの人達が毎日毎日自らの命を絶っているという事を示している。

 イジメなんかで子ども達が自殺をすると、一人だけでもセンセーショナルに報道するくせに、病気を苦にしたお年寄りや、経済的に行き詰まった経営者や中高年の人達が自殺してもほとんどニュースにはならない。
 しかし、自殺者の多くは、健康問題や経済問題を抱えた40~50代の男性や、お年寄りだという事を考えると、この国は大きな闇を抱えていると言っていいと思う・・・

 

 私は、日常的にラジオを聞いていますが、その中でよく耳にする「人身事故があって電車のダイヤが乱れている」という報道・・・
 今朝も、総武線の幕張本郷駅で起こった人身事故の影響で、各駅停車、快速の上下線が一時ストップ、その後も遅れがでており、この記事を書いている今も東京メトロ東西線への直通運転を中止しているという・・・

 この「人身事故」の多くが、線路内への飛び込みによる自殺者だという事は誰でも知っている事実ではありますが、関東エリアでは毎日のようにこの人身事故によるダイヤの乱れが報じられていますが、大きな報道になる事はめったにない・・・
 線路内への飛び込み自殺など、いちいち報じていたらキリがないとでも言うのだろうか・・・ (ノ_-;)ハア…

 

 1日に100人もの命が亡くなっているとしたら、一ヶ月ほどで私の実家のある田舎の山村は、住民が一人も居なくなってしまうほどの数です (^^;
 国は、もっと真剣にこの自殺の問題を考え、対策を取っていかなくてはならないのではないのか・・・
 同様に、マスコミも、もっと自殺者の事を大きく報道していかなくてはならないのではないのか・・・

 

 多くの宗教では、自殺は罪だと教えている。
 しかし、そういう信者であったとしても、自殺を考える人は少なくない・・・

 私は、自殺を否定してはいない。自殺を考える人達は、それなりにいろいろと考えた結果なのだろうから、どうしてもそういう選択しかできないのならやむを得ない事だとは思いますが、安易に現実逃避の手段として自殺をする事だけはやはり同意はできない・・・

 先進国の中での自殺死亡率はダントツの一位、これが日本という国の抱えた現実であり、見過ごす事のできない闇の部分だ。

 こんな病んだ国に未来を見いだす事は、難しいのかもしれない・・・ (__;)

 

 この記事は、本来は昨日の記事と一緒にアップしたいと思っていましたが、この文章をまとめる時間が無かったので、やむを得ず別々の記事になってしまいました (^.^; ポリポリ

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