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2008年9月11日 (木)

十余三

 成田市の北部、空港に隣接して「十余三」という地名があります。

 土地勘があって、ご存じの方ならともかく、普通はこの地名は読めないと思います (^^;

 また、これとは別に、白井市に「十余一」柏市には「十余二」という地名もあります。似たような文字が並んでいる事からもおわかりのように、これらの地名はそれぞれ離れてはいますが、ある意味を持って順番に付けられたものです。

 さて、いったい何と読むのでしょう(笑い)

 簡単に答えを言ってしまってはおもしろくないので、その前にチョッと昔話をしたいと思います(苦笑)
 その間に、先の地名の読みを考えてくださいね ( ^-^)/ ♪

 

 江戸幕府が倒れ、代わって明治政府ができた時のことです。それまで日本中にたくさん居た武士達のほとんどは職を失い、とたんに生活に困ってしまいました。
 そこで、明治政府はある政策を思いつき、実行に移します。
 千葉県の北部、当時「小金牧」と「佐倉牧」と呼ばれていた広大な幕府の牧場を、職を失って途方に暮れている人々に開墾させ、仕事を与えることで生活を安定させてやろうとしたのです。

 そして、開墾が始まりましたが、これらの土地には新しく字名がつけられました。
 その字名ですが、開墾された順序にしたがって、数字とことばを組み合わせて以下のような名前がつけられていきました。

 

1:初富村(はつとみむら) 小金牧の中野牧  現在の鎌ケ谷市初富

2:二和村(ふたわむら)  小金牧の下野牧  現在の船橋市二和

3:三咲村(みさきむら)  小金牧の下野牧  現在の船橋市三咲

4:豊四季村(とよしきむら)小金牧の上野牧  現在の柏市豊四季

5:五香村(ごこうむら)  小金牧の中野牧  現在の松戸市五香

6:六実村(むつみむら)  小金牧の中野牧  現在の松戸市六実

7:七栄村(ななえむら)  佐倉牧の内野牧  現在の富里市七栄

8:八街村(やちまたむら) 佐倉牧の柳沢牧  現在の八街市

9:九美上村(くみあげむら)佐倉牧の油田牧  現在の香取市九美上

10:十倉村(とくらむら)  佐倉牧の高野牧  現在の富里市十倉

11:十余一村(とよひとむら)小金牧の印西牧  現在の白井市十余一

12:十余二村(とよふたむら)小金牧の高田台牧  現在の柏市十余二

13:十余三村(とよみむら) 佐倉牧の矢作牧  現在の成田市十余三

 

 という事で、以上の13の開墾地ができたわけですが、「十余一」は「とよひと」、「十余二」は「とよふた」、「十余三」は「とよみ」と読みます。

 「十余一」だけが、当初「とよひと」と呼ばれていたのを、後日「とよいち」と読みが変わっています。

 

 という事で、冒頭の地名ですが・・・

 十余一・・・・・ とよいち
 十余二・・・・・ とよふた
 十余三・・・・・ とよみ

 これが答えです (^^)v

 十よりそれぞれ一つ余分、二つ余分・・・という意味で、十一、十二、十三という事を著わしています。

 当時の名前は、今でもこうして各地に残っていますが、開墾は決して順調に進んだわけではなく、やせた土地と辛い気候が生活を圧迫し、貧困に耐えきれずに土地を捨てて逃げ出した家族もあとを絶たなかったそうです。

 

 私は、平成4年から10年間ほど八街市内に住みましたが、八街には川が無いので、水田は作れず、もっぱら畑ばかりが広がっていました。
 しかし、川が無いわけですから、畑に撒く水は、井戸を掘ってポンプで汲み上げ、スプリンクラーのようにして散水しています。
 また、上下水道が整備されていない自治体というのも、現代では少ないのではないかと思います。私の家でもそうでしたが、八街市内の多くの家庭では、水道ではなく井戸を掘って生活水としていますし、トイレなどの生活水の処理も合併浄化槽が当たり前で、下水に流れていくわけではありません (^^;

 また、畑に作物があるうちはまだいいのですが、収穫を終え、畑がむき出しになると、風で舞い上がった畑の土が容赦なく市内を吹き荒れます (^^;
 時には、昼間なのに車のヘッドライトを点けなければ先が見えないほど猛烈な砂埃が吹き荒れたこともありました (^^;
 うっかり、閉め忘れた窓があったりすると、家の中は砂埃でザラザラになってしまいます (^^;
 もちろん、洗濯物は表には干せません(苦笑)

 現在では、ポンプなどの機材もありますし、窓もサッシなどが当たり前に備わってはいますが、当時の生活は苛酷を極めたろうと思うと、開墾に精を出した先人の人々のご苦労が偲ばれます・・・

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