遠藤実が逝く・・・
先日、戦後歌謡界を代表する作曲家として名高い、遠藤実氏が急性心筋梗塞のために76才の人生に幕を下ろしたと報じられた・・・
今年50才の私にとっても、氏の作曲した作品はどれも思い出があり、カラオケなんかでもよく歌ってきたから、ほんとうはもっと早く追悼の記事を書きたかったんですが、どうしても記事をまとめる時間が取れず、書きやすい記事からアップしたこともあって、少々時機を逸した感じもしないでもありませんが、その辺についてはご容赦下さい・・・ m(_ _;)m
私が子どもの頃から遠藤実のメロディーはそこにあった・・・
島倉千代子、舟木一夫、千昌夫などが歌う歌は、両親達も好んで愛唱していたので、幼い私の耳にも自然に入ってきていたから・・・
私はフォークソングで育った世代ではありますが、当時の歌謡界は演歌ということばさえ無かった時代ですから、もっぱら歌謡曲という名前で一括りにされ、流行歌ということばで語られていた頃です。
氏の作る作品は、どれも親しみやすく、歌いやすいというのが特徴で、千昌夫が歌って大ヒットした「星影のワルツ」は、当時のNHKのど自慢で、出場者達の多くがこの作品を歌ったものだ。
次の出場者も次の出場者も「○番、星影のワルツ・・・」という事で、さすがに食傷気味の感じも否めなかったが、それだけこの作品が国民の多くに支持されたという証しだろう・・・
はっきりしたことはわからないけど、おそらくこれまでののど自慢の長い歴史の中で、一番歌われた歌は「星影のワルツ」なんじゃないだろうか・・・
氏の作曲した作品は5000曲を越えるともいわれていますから、いちいち挙げてもキリがありませんが、渡哲也の「くちなしの花」や杉良太郎の「すきま風」、渥美二郎の「夢追い酒」など、私自身もつい口をついて出てくる作品は多いです (〃⌒∇⌒)ゞ ♪
この記事を書くために、Wikipediaなんかでいろいろと調べると、「ミノルフォン」というレコード会社を立ち上げたのが遠藤氏であり、その名前をとって「ミノルフォン」と付けたというのが載っていて、言われてみればなるほどと思うものの、これは目からウロコでしたよ(笑い)
昨年、「歌詞のない歌」という記事の中でも語りましたが、近年の歌は昔とは根本的に質が違ってきています。
私の持論として、聞くだけのモノは「歌」とは言わないというのがあります。
人々の口から、声に出して歌われないような作品は、どんなにヒットした作品であろうと消えて無くなる「消耗品」という考えです。
リズム重視で、浮かんだメロディに意味のない歌詞をはめ込んで出来上がった作品は、確かに耳あたりはいいかもしれないが、その分なんの感動も与えてはくれない・・・
小室哲哉の作品に代表されるような、最近のワケのわからない歌を聞いて育った若い世代は、自身がオトナになり、中年になり、定年を迎える頃になっても、それらの作品を覚えているのだろうか・・・
折々に触れ、懐かしい作品だと思い出すことはあるのだろうか・・・
個人的な意見では、粗製濫造した「消耗品」でしかないそれらの作品は、いずれ時代の流れの中で消えていく運命にあるのではないかと思わずにはいられない・・・
そんな時に、彼等の心に残っている、心のよりどころとなるべき「歌」はほんとうにあるのだろうかと・・・
遠藤実・・・ 氏の作曲した多くの作品は、間違いなく次の時代でも支持されるホンモノの「歌」だと私は思う。
どんなに世の中が変わろうとも、遠藤実の世界は色褪せることはないだろうと私には思えます。
それは、私が氏の作品を聞いて育ったとか、そういう短絡的なことで語られるような薄っぺらなモノではない!
氏の作品の中には、魂を揺さぶる感動がある。
不変の真理がある。
そして、時代を超え、世代を超えてわかり合える「何か」が間違いなくそこにある・・・
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コメント
「くちなしの花」や「すきま風」って今でも歌ってしまいます。
歌詞が頭に入っている曲って、いつまでも歌いたい曲ですね。
最近の曲は・・・っていう自分達が年をとっているんでしょうか。
曲を聴いても歌詞が出てこない、もどかしさがあるんですよ。
投稿: すが太郎 | 2008年12月12日 (金) 00:06
すがさん、どうもです (^^)/
確かに、トシを取って感性が合わなくなったという事もあるんでしょうが、それとは別に、明らかに歌その物が変質していると私は思っています。
歌詞に必然性がないんですよ、別にそのことばでなくても、字数が合えばなんでもいいんです (^^;
だから、歌詞を読んでも意味が伝わって来ないし(苦笑)
投稿: 夢見るピーターパン | 2008年12月12日 (金) 03:18