司法が死んだ日
平成10年に起きた、4人が死亡、63人が急性ヒ素中毒になった和歌山の「毒物カレー事件」で、殺人などの罪に問われ1、2審で死刑判決を受けた林真須美被告の上告審判決で、最高裁は今日、真須美被告側の上告を棄却し、これによって林真須美被告の死刑が確定すると報じられた。
まぁ、これまでの流れから、こんな判決が下るだろう事はある程度予想されましたから、今さら驚きはしませんが、それにしても、ひどい判決ですねぇ・・・ (ノ_-;)ハア…
私は、事件の当初から、一貫して林被告は「無罪」になるべきだと思ってきたので、こういう判決が下されることは我慢なりません。
確かに、保険金詐欺は行なっていたのは間違いないと思いますが、毒物混入はどうでしょうか・・・
やったかもしれませんが、やらなかったかもしれないというのが正直なところだと思います。
「疑わしくは被告人の利益に・・・」 これは、裁判の基本であり、そうでなければ裁判所はえん罪の温床になってしまいます・・・
どんなに色濃い「グレー」であろうと、確実に有罪だと第三者が納得できるだけの根拠がなければ「黒」とは言ってはいけない、それが司法というものの存在意義だったはずではないのか・・・
動機がない。
物的証拠もない。
あまつさえ、本人の自供もない。
こんなお粗末な起訴なのに、状況証拠だけ山のように積み上げて、人一人を有罪にしてしまう司法ってなんだ?
証拠も無いのに死刑が確定するような、そんなバカな事がまかり通る社会では、恐ろしくて、暮らしていくことはできない。
いつ自分が無実の罪で訴えられ、有罪判決を受けるかもしれないではないか・・・ (__;)
今回の事件、被害者達が納得するようにと、誰かをスケープゴードとして事件の早期解決を図ろうとした、警察や検察の何かしらの思惑は無かったのだろうか・・・
普段から疎まれて、地域から浮いていた林被告が、事件後に住民達の暗黙の了解でスケープゴードにされたという可能性は無いのだろうか・・・
事件に使われた「ヒ素」にしても、林被告の自宅にあったモノなの「かも」しれませんが、もしそうだとしても、それを誰かがこっそりと持ち出して使用した・・・ そういう可能性だってゼロではないわけで、どうしてこんなに簡単に司法は有罪を下せるのだろう (?。?)
専門家達が11年間も一生懸命に審議して出た結論が「死刑」という有罪判決だったわけで、これでは来月から一般市民が参加して行なわれる「裁判員制度」が始まったら、えん罪が出る事は避けて通れないのではないのか・・・
日本の裁判では、起訴されてしまったら有罪の確率はほぼ100%に近い。
それだけ検察は有罪になる自信がなければ起訴はしないということです。
林被告の死刑が確定した陰で、「もしかしたら」今も真犯人があの地域に住んでいるかもしれないという可能性がゼロではないという事を忘れてはならないと思いますねぇ・・・
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コメント
難しいですね。
非常に注目を浴びた事件で、社会的関心も高い。
世論は完璧に厳罰を望んでいる。
裁判員制度の前に、司法の性質をしっかりと示さないといけないプレッシャーもあり、いまさら振り出しに戻したくないプレッシャーもあり。
難しい判断でした。
投稿: むうさん | 2009年4月22日 (水) 02:40
むうさん、どうもです (^_^)/
司法もそうですが、マスコミのあり方も問題アリだと思います。
テレビも新聞も、林容疑者は「黒」という「前提」で報道しています。アレでは、仮に無罪という判決が出たとしても、世間が許さないだろうから、日本の国内では暮らしていけないだろうと思います。
実際、自宅は落書きの末に放火されて全焼してしまいました・・・
「容疑者」という立場のはずなのに、世間は完全に「犯人」扱いをして、彼女の人格は否定され続けたわけです・・・ (ノ_-;)ハア…
そして、今回司法がとどめを刺したわけです・・・
投稿: 夢ピ | 2009年4月22日 (水) 06:49