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2009年6月20日 (土)

マンモス企業

 経営危機に陥っていた、米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は、6月1日に日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻をしたと報じられた・・・
 すでに、4月末にはクライスラーが破産法を申請しており、「ビッグ3」と呼ばれた巨大企業のうちの2社が経営破綻に追い込まれた事になる。

 

 こういう事態に陥るであろう兆候は、1980年代頃にはアメリカ国内で現れていた・・・
 当時すでに、日本車は燃費に優れ、性能も良いという事で米国人の間でも市民権を得ており、そのしわ寄せがアメリカ車のメーカーに販売不振という形で現れ、余剰従業員として工場を解雇された工員達が中心になって日本車の糾弾を行なった事があった・・・

 当時、目の敵にされたのはトヨタ車ではなく、ホンダ車だった (^_^;
 アコードの米国仕様車が大人気で、飛ぶように売れていた時期・・・
 この頃、逆輸入という形で、国内でも左ハンドルのアコードをしばしば街中で見かけた事があります。

 そのホンダ車の屋根に乗って、大きなハンマーを振り下ろして車体をボコボコにしている映像がセンセーショナルに流された事もあったので、覚えている方も多いと思います。

 

 なぜ当時のアメリカ人達に、日本車が魅力的に映ったのか・・・

 あの時に、「ビッグ3」が目先の売上の事だけを見ていないで、販売不振の原因をしっかりと検証していたなら、このような事態には陥らなかったのではないかと思えてならない。

 お金持ちならいざ知らず、庶民にとって燃費が良く故障しない車というのは、それだけでありがたいもので、それは日本人だろうとアメリカ人だろうと変わらないと思います(笑い)

 

 車に限らず、メーカーが第一に考えなければならない事は、「自分たちの作りたいものを作る」という事ではなく、「ユーザーの求めているものを作る」という、極めて当たり前の事ではないでしょうか・・・

 自分の作りたいものを作って成功するのは、経営者ではなく、芸術家だけだと思いますよ (^◇^) 。。。ケラケラ
 それだって、世の中に受け入れられるようになるまでにはたいへんな努力が必要ですが・・・

 

 ところで、今回のGMの経営破綻を見て思う事は、かつて地球上を席巻していた大型の恐竜たちやマンモスなどが絶滅し、小型のほ乳類たちにその座を奪われた事・・・
 あの時の状況によく似ているなと・・・ (^_^ゞポリポリ

 

Egg_mountain  大きな身体をした恐竜たちは力も強く、人間を始めとした小型のほ乳類など問題にしてもいなかっただろう。(もっとも、この時代には人類の祖先はまだ地球上には現れていなかったと思いますが (^^; )
 まさか、そんな小動物が自分たちに代わって地球上に君臨するような事になろうとは誰も・・・というか、恐竜たち自身は予想だにしていなかったと思います。

 しかし、大きな身体をしているという事は、燃費が悪いという事ですから、一日に食べる食料も膨大なものになります。
 温暖で、雨量も十分にあった時代ならともかく、チョッと気候が変わって緑が少なくなっていけば、食べ物にも事欠く有様で、そうなると大型の動物から餓死していく事は自然の摂理でしょう・・・

 恐竜やマンモスの絶滅に関しては、いろいろな説がありますが、いずれにしてもほ乳類を中心とした小回りの効く、彼らよりは小型の動物たちが生き残った事は、歴史上の事実です。

 

 翻って、GMを始めとする「ビッグ3」も、大型車にこだわることなく、燃費のいい小型車に生産の主力をシフトしていたなら、ここまで事態は悪化しなかったんじゃないかと思えてなりません・・・ (__;)

 「大男総身に知恵が回りかね」ナンてことばもあるように、企業も図体が大きくなると、方向転換をしようにも思うように身体がついていかないなんて事はよくある事で、このままじゃいけないいけないとわかってはいても、なかなか思う方向に舵が切れないもののようです。
 海を航行する船も、前方に障害物が在るのはわかっていても、モーターボートのような小型の船なら簡単に向きを変える事ができますが、タンカーのような大型の船が向きを変えるのは容易な事ではないのに似ていると思います・・・ (^_^;

 

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 イトーヨーカドーが、子会社だったはずのセブンイレブンに売上高でも抜かれたのは記憶に新しい。
 消費者達にとっては、郊外にある大きなイトーヨーカドーよりも、身近にある小さなセブンイレブンの方が魅力的だったという何よりの証しだと思います。
 デパートも、販売不振で苦戦しているところが多いのに比べ、コンビニは雨後の筍のようにそこここに出店しているのを見ても、時代は大きなお店より小さなお店を求めているように私には思えます。

 品揃えや値段では大きなスーパーにかなわなくても、お客様の声をすぐに陳列に反映できる小回りの良さが消費者にアピールし、売上に直結しているのは火を見るよりも明らかだからです。
 消費者達にとってコンビニは、その名の通り「コンビニエンス」なお店なんですよ (^^)v

 

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 その結果、シンボルマークだったはずのハトのマークは、いつの間にか「セブン&アイHLDGS」に取って代わるという逆転現象が起きてしまいました(苦笑)
 これ、「庇を貸して母屋を取られる」って事のいい例なんじゃないかな (^◇^) 。。。ケラケラ

 

 車でも小売店でも、大きなモノが求められた時代はすでに終焉を迎え、21世紀はもっと小さくてパーソナルなモノが求められる時代になっていくんじゃないかと私は思いますねぇ・・・ (^_^)V。

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コメント

セブンイレブン=イトーヨーカドーによく似た図式は、ダイエー=ローソンにもありますし、NTT=NTTドコモもありますね。

いずれも、小回りの効く会社になって利益が親会社を抜くという逆転したわけですよね。

わが会社も目先ばかり追っていたから今頃になってしっぺ返しにあっています。
それでも未だ気付いていない上は何を考えているやら…

投稿: お茶汲み坊主 | 2009年6月20日 (土) 13:46

 お茶汲みさん、どうもです (^_^)/

 NTTは、確かに逆転というか、今ではDoCoMoの方が断然売上は多いんじゃないかな(笑い)

 しかし、ローソンの場合は、すでにダイエーから売却されて別会社になっていますから、親会社であったダイエーと比べても意味はないように思えますが、単に売上だけ比べれば、ダイエーよりもローソンの方が多いと私も思います (^^)v

投稿: 夢ピ | 2009年6月20日 (土) 17:25

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