« 栃木の神社 | トップページ | 足るを知る »

2010年1月21日 (木)

場外乱闘

 大相撲の初場所が終盤を迎え、優勝の行方は珍しく混沌としたものになってきた・・・
 それでも、白鳳の優位は動かないのかもしれないが、少なくても、千秋楽まで観戦するだけの興味を残してくれた・・・

 

 そんな本場所の熱気を帯びた土俵とは裏腹に、土俵の外では冷たく醜い大乱闘が続いている・・・

 事のあらましはこうだ。

 初場所後の2月1日に行なわれる事になっている、日本相撲協会の理事選挙を前に、無投票で済ませたいと思っていた協会側の思惑を無視し、貴乃花親方が立候補の意向を表明したために、改選数をオーバーし、選挙になる可能性が出てきたために、各一門の動きがにわかに慌ただしくなってきたというもの。

 

 大相撲の理事は、協会に所属する各部屋の大本となる五つの一門の力関係で決まることが多く、長い間裏での調整で決められてきた経緯があり、ほとんどの場合無投票で決まってきたという長い歴史があり、選挙になったのは98年の理事選が最初。
 以降、3期連続で選挙が行なわれてきたが、04年からは一門の力関係で理事の数が決められ、無投票で決められてきた経緯があります。

 つまり、協会が自分らの身の安泰を考えて、なぁなぁでやってきたから、これからもなぁなぁでやっていきたいという思惑が見え見えなワケですが、そこに貴乃花親方が一石を投じたというもの。

 川の水も、絶えず流れているからキレイなのであって、流れが止り、よどんでくると、濁り、腐ってしまうものです。
 組織もそれと同じで、新陳代謝を繰り返し、新しい顔ぶれが入ることによってうまく機能していくものであり、それが長い間あまり変わらないとか、組織の都合で人事を行なっているようだと、慣れや癒着がはびこるようになり、組織そのものが崩壊してしまうのは、長い歴史が証明しています。

 貴乃花親方は、雄弁な方ではありませんから、その思惑がどこにあるのか今ひとつ伝わっては来ませんが、彼を支持する親方が6人もいるという事実は見過ごせないと思います。
 決して、貴乃花親方が独り善がりのパフォーマンスから理事になりたいと思っているわけではないという事実がそこからうかがい知ることができるからです。

 

 貴乃花親方が所属する二所の関一門では、貴乃花親方本人を事実上破門した上で、彼を支持する6人の親方らも合わせて破門とする決定を下した・・・

 この騒動がおかしいというか、協会に与する各一門の考え方が間違っているというのは明らかであり、誰でも立候補できるはずの理事選が事実上門戸が閉ざされていて、それに異を唱える親方は締め出されてしまうという、時代錯誤の封建的な考えがまかり通る大相撲協会というのはなんなんだと q(`o')ブー!!

 

 こういう旧態依然とした考え方が協会を席巻しているから、いつまで経ってもチョンマゲにマワシなんていう、江戸時代みたいな世界がそこに在るんだと私なんかは思っています。

 すでに大相撲は、外国人力士達が中心になって興業を行なっている時代に突入しています。にもかかわらず、協会関係者達は、「日本人の心」だとか「作法」だとかを外国人力士達にも一様に求めようとしています。

 もちろん、「郷に入ったら郷に従え」ということばもあるように、角界に入ったら角界のしきたりを守るのは当然の事ですが、逆に外国人力士達の文化とか個性とかも尊重されなければならないのではないでしょうか。
 把瑠都がいつもヘラヘラと笑っていることが力士としての威厳を損なうだとか、朝青龍が勝ってガッツポーズをしたりバンザイをすることが負けた相手への配慮を欠く行為だとか、そういう「つまらない」事をいちいち取り上げて、バッシングするのは、彼等外国人力士達への冒涜以外の何ものでもないと私は思いますがねぇ・・・ (ノ_-;)ハア…

 

 第一、彼等外国人力士達は、手っ取り早く大金を手にするために相撲レスラーになっただけであって、日本人になろうと思って角界に入ったわけではないんですよ。

 つまり、大相撲の土俵に上がることと日本人としての心を持つことは全く別のことであって、関取になったからといって必ずしも日本人の心が必要だとは思わないんですよね。

 それなのに、関係者達は外国人力士達が彼の国の一面を見せる度に、日本人らしくないと言ってバッシングするのはいかがなものかなと・・・ (__;)

 こういう「奢り」というか、あるいは「勘違い」というべきなのかもしれませんが、そういうものをいつまでも大上段に振りかざして大相撲を取り仕切ろうというのは、もはや難しいんじゃないかと私なんかは思っています。

 

 なぜ、幕内上位に外国人力士達の顔が並び、日本人力士達が台頭できなくなってしまったのか、そのヘンの大きな理由が、こういう時代遅れの考えを持った親方達にあるのであろう事は否めないんじゃないかな。

 

 自分たちの身の安泰を考える以前に、大相撲の安泰というか、大相撲の発展を考えていくのが上に立つものの責任であり、仕事だろうと私は思うのですがねぇ。

 

 少なくても、今回の騒動を身内の反乱だなんて考えているのは関係者だけで、私たち傍観者の目には見苦しく、後ろ向きだと映っているんじゃないのかな。

 入札だって、談合で決まってしまうのは激しく非難されますし、ここはやはりキチンと選挙を行なって理事を決めるべきだと思いますよ。

|

« 栃木の神社 | トップページ | 足るを知る »

コメント

角界の改革はできるのでしょうか。

これからの動きに注目ですね。

投稿: こやなぎ名人 | 2010年1月21日 (木) 11:38

 名人、どうもです (^_^)/

 貴乃花親方が、仮に当選するにしても、落選するにしても、声をあげたということ自体が意義のあることであり、それによってマスコミにも取り上げられ、周知の事となりました。
 いい事であれ、悪いことであれ、協会が身内だけで決めるのではなく、過程がオープンになることは、因習の改善にもつながり、やがて改革につながっていくのではないでしょうか・・・

投稿: 夢ピ | 2010年1月21日 (木) 12:35

貴乃花親方を応援したいと思う、一人です。
番頭に雄弁な人がいると、貴乃花親方の気持ちがメディアを通じて伝わるんでしょうが。

投稿: すが太郎 | 2010年1月22日 (金) 00:24

 すがさん、どうもです (^_^)/

 個人的には、貴乃花親方は好きな方ではないですが、今回の立候補に対しては間違ってはいないと思う一人なので、ぜひ理事に当選して欲しいと思っています。

 まぁ、当選しても、9対1ですから、他の理事達から寄ってたかって妨害を受けるだろう事は目に見えていますが・・・ (^^;

投稿: 夢ピ | 2010年1月22日 (金) 07:39

ベースボールとラグビーあたりにも作法ありますよ

MLBで挑発したら報復がゆるされますし、
審判への侮辱や、ガッツポーズなどはタブーです
三振やホームランのガッツポーズは基本的敗者への侮辱であるため配慮しなければなりません
基本的に黙々と一周します
ボンズやプホルスくらいになると軽くガッツポーズして観客にこたえますが

基本的に「野球」の文化でやってる日本人メジャーリーガーはたいがい報復されます

投稿: うま | 2010年1月24日 (日) 22:27

 うまさん、どうもです (^_^)/

 野球は好きですが、メジャーは全く興味がありませんし、ラグビーも昔はよく見ていましたが、今はちっともおもしろいとは思えないので見た事はありません。

 ですから、そこでどういうプレーがされているのかわからないのですが、少なくてもガッツポーズが敗者への侮辱だとは思っていない一人です。
 喜びが素直に態度に出たのがガッツポーズだと思うので、そういう表現ができるアスリートの方が人間らしくて私は好きですね。

投稿: 夢ピ | 2010年1月24日 (日) 22:39

私も貴乃花親方支持ですね。 

この前の回も見ましたが、私も白鵬は好きになれません。なんか、相撲協会オススメのサイボーグみたいな感じがして...

同じ大人しいにしても、日馬富士みたいなホンワカした人間味ある人が好きですよo(^∇^o)(o^∇^)o

まぁ、なんだ威厳がどうのとかいう古いしきたりが『かわいがり』というリンチを生み出し、不幸な事件も引き起こしてしまったんだと思います。 

すごく些細な事でもいいから、相撲は変わっていかなきゃいけないと思いますよ。 

国技館に行っても高校生は自分だけでしたしやっぱ若者にはとっつきにくい世界なのかもしれませんね><

投稿: BBガンツ | 2010年1月27日 (水) 06:13

 BBガンツさん、どうもです (^_^)/

 私も、今でこそ大相撲大好き人間ですが、20代くらいまではほとんど興味はありませんでした (^_^ゞポリポリ
 お若い方が興味を持たない限り、底辺の拡充はあり得ませんし、大相撲が発展していく事はないだろうと思えてなりません。

投稿: 夢ピ | 2010年1月27日 (水) 07:17

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 場外乱闘:

« 栃木の神社 | トップページ | 足るを知る »