今は、高速道路の料金支払いはETCでという方が大多数を占めるようになりましたが、その昔、私が運送屋を始めた頃は、まだハイウェイカードというものが存在しており、それを使う方もけっこう多かったと思います。
このハイウェイカードとは、磁気式のプリペイドカードであり、一昔前に流行ったテレホンカードなんかと基本的には一緒で、額面に対していくらかのプレミアムが付いており、多少お得感もあったので私なんかもかなり使うことが多かったです (^^)v
このハイウェイカードには千円から五万円まで六種類の額面が存在しましたが、広く流通していたのはプレミアムが付いている五千円、一万円、三万円、五万円の四種類だったと思います。
以下に、それぞれのプレミアム分をご紹介します。
5,000円券(額面5,200円分で200円お得)
10,000円券(額面10,500円分で500円お得)
30,000円券(額面32,500円分で2,500円お得)
50,000円券(額面58,000円分で8,000円お得)
と、まぁ、このような状況だったわけです。
ところで、それぞれの割引率はどうなっているかおわかりですか?
答えは、それぞれ50,000円券が13.8%、30,000円券が7.7%、10,000円券が4.8%、5,000円券が3.8%なんですが、この件に関して我々仲間内でも侃々諤々の論争がありましてね(笑い)
というのは、例えば50,000円券の場合、8,000円分のプレミアムが付いており、この8,000円という金額は50,000円の16%にあたりますから、50,000円のハイカは16%の割引率になっていると主張する人があとを絶たなかったからです (〃⌒∇⌒)ゞ ♪
よく考えればそうではないことがわかると思うのですが、私は人に説明するのが下手なので、どのように説明しても13.8%の割引率しかないという事を他人に納得してもらえなかった事があります (^^;
これは、当時の日本道路公団が、「50,000円のハイウェイカードは8,000円分お得」というコピーでハイカを売っていたことにも原因があると思います。
「50,000円で8,000円お得」なわけですから、8,000円は50,000円の16%、ゆえに50,000円券の割引率は16%と考えるのは自然なことなのかもしれません。
しかし、この考え方が間違っているのは、例えば次のようなケースを考えてみればわかります。
仮に、100,000円の超プレミアムハイカがあったと仮定して、そのハイカには特別に100,000円分のプレミアムが付いており、全部で200,000円分の通行が可能だとします。
先のような考え方だと、100,000円のハイカに対して100,000円分お得なわけですから、このハイカは100%の割引率だということになってしまいます (^^;
100%引きという事ですと、このハイカは無料で手にすることができるということになってしまいますが、実際には100,000円支払ってこの超プレミアムハイカを購入したわけですから、この考え方は根本的に間違っているということになります(笑い)
ちなみに、こんなハイカがあったとして、その割引率は50%という事になります (^^)v
「50,000円で8,000円分お得」という事は、言い換えれば「58,000円のカードを50,000円で買った」という事になります。
つまり、58,000円の品物を8,000円値引いてもらって、50,000円で買ったという事です。
この場合、50,000円÷58,000円で、もとの価格の86.2%で買ったことになり、値引率は、100-86.2=13.8ですから、13.8%引きとなります (^^)v
当時も、このように説明したんですが、数字が中途半端なものだから、よけいわかりにくかったようで、どうしても納得してもらえませんでした (^◇^) 。。。ケラケラ
しかし、例えば、100,000円のテレビを、80,000円で買ったら、誰だって20%引きになっている事に異論は無いと思います。
この場合の値引率を求める式は・・・
1-(80,000÷100,000)になり、1-0.8=0.2で、0.2は20%ですから、20%引きという事になります。
先の50,000円のハイカの場合も、同じように計算すれば・・・
1-(50,000÷58,000)になり、1-0.862=0.138で、0.138は13.8%ですから、間違いなく13.8%引きという事になります (^^)v
このように、数字のマジックというか、58,000円のカードが8,000円引きで50,000円になっていますと言うよりも、50,000円のカードには8,000円分のオマケが付いていますと言った方が、買う方はなんとなく得したような気分になるのは間違いないと思います。
似たようなケースで、「10,000円」と書いてあるプライスよりも、「9,980円」と書かれてあるプライスの方が断然安いと思えるのは自明の理でして・・・ (〃⌒∇⌒)ゞ ♪
両者はたった「20円」しか違わないのに、それを見たお客さんは「凄く安い!」と思ってしまうのも、やはり数字のマジックだろうと私は思います。
商売には「損して得取れ」ということばも存在します。20円値引いて販売するわけですから、その分売上げも下がりますし、利益率も下がります。しかし、そうすることによって一つでも多く商品が売れたとしたら、売り手としてはバンザイですし、買い手も喜んでくれるわけで、お互いの利害が一致して商売繁盛となりますよね o(*^▽^*)o
決してお客さんを騙しているわけではないのですが、同じモノを売る場合でも、セールストーク一つでお客さんは得したと思うわけで、どうせならより喜んで買ってもらった方がお互いハッピーになれるじゃないですか(笑い)
それが営業努力であり、企業努力というものじゃないでしょうかねぇ ( ^-^)/ ♪
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