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2010年6月 2日 (水)

勇み足

 日本相撲協会は、昨年の名古屋場所において暴力団が特別席で観戦したことを受け、入場券を手配した二人の親方を処分したと報じられた。

 直接依頼され、入場券を渡した木瀬親方は2階級の降格、木瀬親方から仲介を依頼された清見潟親方はけん責に止まったが、この問題は非常に難しい問題ではありますが、私は正直、この二人の親方は事実上の「被害者」だったと思っています。

 

 そもそも、部屋を経営するにあたり、後援者というものの存在はとても大きい。
 まして、木瀬部屋は、2003年の12月に三保ヶ関部屋から独立して創設された、比較的新しい部屋であり、本来であれば師弟関係にあるはずの三保ヶ関部屋の後ろ盾があってしかるべきなのだろうが、親方同士の関係がこじれていることもあって、独力での経営を余儀なくされていていたという。

 そんな中、後援会がらみの知人から、特別席の入場券を手配してくれと頼まれたら、なんとか骨を折って喜んでもらいたいと思うのは、親方としては至極当然の事だと私は思う。

 

 木瀬親方の行動で問題だったのは、入場券を手配してやった事ではなく、手配した入場券で誰が観に来たのかの確認を怠った事だと思います。

 自分が手配した入場券で来場したお客さんですから、大切な後援者たる人物である事は間違いのない事で、挨拶に伺うなどの礼はあってしかるべきであり、その時にどのような関係の仕事をしているのか確認くらいはするべきだったでしょう。
 また、入場券を渡した知人にも、誰に渡し、それはどのような人物なのか、キチンと説明を受けるべきだったとも思います。

 今時の暴力団は、いかにもそれふうの風体はしておりませんし、肩書きも堅気ふうのものを名乗っていますから、外見からは暴力団とわからない事も多いと思います。
 だからこそ、しっかりした調査・・・とまではいかなくても、確認は必要だったと思います。
 それを怠ったからこそ、こういう大問題にまでなってしまったわけで、親方としては無責任だとのそしりを受けてもやむを得ないのかなと・・・

 

 一生懸命に、部屋を経営していただけの木瀬親方だったのに、こういう事で部屋を取り上げられてしまうというのは、いかにも残念な事だと個人的には思っています。
 木瀬部屋が抱える力士数は27人という事で、佐渡ヶ嶽部屋に次ぎ、高田川部屋と並んで角界では3本の指に数えられる大所帯です。5年あまりでこれだけの規模の部屋にするには、相当苦労もあったと思います。
 それだけに、木瀬親方が気の毒で・・・ (__;)

 なによりも、北の湖部屋に移籍する事になった木瀬部屋の力士たちが哀れでね。
 これまでにも出稽古なんかで北の湖部屋の力士たちとも顔なじみだとは思うんですが、稽古をするだけというのと寝食を共にするというのは異次元のハナシですからね。部屋が違えば、当然細かなしきたりとか慣習とかも違うだろうし、部屋に慣れるまでは相撲どころではないかもしれません・・・ (ノ_-;)ハア…

 

 一生懸命に相撲部屋を経営していたのに、思わぬところで土が付いたこの一件、決まり手に喩えるなら、さしずめ「勇み足」というところだろうか・・・ (^^;

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