« 歴史は夜作られる | トップページ | ハンター »

2010年7月 1日 (木)

栄枯盛衰

 世間はW杯で盛り上がり、日本国中がサッカーに湧いているその最中、とんでもないニュースが飛び込んできました・・・

 

 J2に所属する「東京ヴェルディ」が、先月末で資金繰りに行き詰まるのを受けて、現経営陣は退陣し、今月からはJリーグ主導で経営されるという。
 ただし、これは一時的な救済措置に過ぎず、今年中に新たなスポンサーが見つからなければ、来季、ヴェルディは消滅する可能性もあるという・・・

 これは、一般の会社に喩えると、自主再建の道を断念し、会社更生法の適用を申請したのをうけ、国が直接経営に乗り出したのに似ている。
 今風に言うならば、JALのような事態に陥ってしまったということでしょうか・・・ (^^;

 

 ヴェルディが経営難に陥っているというウワサは、以前から囁かれるようになってはいました・・・

 しかし、93年のJリーグ開幕にあたっては、日産が母体のマリノスと並んで、読売が母体だったヴェルディは、多くのスター選手を抱え、Jリーグオリジナルの10チームの中でも傑出した人気を誇っていました。
 その人気チームが消滅の危機を迎えているという。
 「栄枯盛衰」を絵に描いたようなとは、まさにこういう事を言うんじゃないだろうか・・・

 

 Jリーグバブルが絶頂だった頃、カズや武田、北沢、ラモスなどのそうそうたるビッグネームが顔を揃えたヴェルディは、多くのサポーターを誇る人気抜群のチームであり、何度も優勝を重ねるなど、人気・実力共にJリーグの旗手的な存在だった事は記憶にも新しい。

 それが、企業名を排除するというJリーグの理念と、ホームタウンのイザコザなどが表面化し、次第に人気が翳り、いつの間にかJ1からも降格を余儀なくされるような、二流・三流のチームに成り下がっていった・・・

 

 まず、読売新聞社よみうりランドが98年のシーズン終了後に経営から撤退し、唯一残っていた日本テレビも昨年のシーズン終了後に経営から撤退した。
 これにより、読売新聞グループは全てヴェルディの経営から姿を消し、大口のスポンサーを失うことになる・・・ (__;)
 直接的には、この大口スポンサーを失ったことが経営に行き詰まった最大の原因だと私は思っています。

 そして、間接的にヴェルディの経営を圧迫していったのが、ホームタウンを巡るゴタゴタでした・・・ (ノ_-;)ハア…

 

 そもそも、ヴェルディの全身となる「読売サッカークラブ」は、東京都稲城市と川崎市との境にある「よみうりランド」を練習場にしていた兼ね合いで、都内の駒沢や川崎の等々力などの競技場を使って試合を行なっていたそうです。

 それが、Jリーグの発足にあたって、東京をホームタウンにしたいと考えていたチーム側の思惑に反し、様々な事情から都内でのホームスタジアムは諦めざるを得ず、やむを得ず等々力をホームスタジアム、川崎をホームタウンとしてJリーグに参加しました。
 この時のチーム名は「読売ヴェルディ」でしたが、94年からは「ヴェルディ川崎」に変更されました (^^;

 その後もヴェルディはホームタウンを東京にしたいと水面下で画策し続けました。
 調布市に新しい競技場(東京スタジアム)の建設が発表されると、真っ先に手を挙げましたが、Jリーグからは川崎に対して地域密着性を否定する行為だと拒絶され、川崎市からは裏切り行為と猛反発されて、この件はいったん白紙撤回されました。
 この結果、川崎の市民から信頼を失う結果となり、スタジアムにも空席が目立つようになって、次第に経営を圧迫していきました・・・

 この危機を打開するためにと、2001年に開業することが決まった「東京スタジアム」(現味の素スタジアム)への移転計画を再度声高に発表しましたが、この時にはすでに、川崎をホームタウンとする新しいチーム(川崎フロンターレ)ができており、川崎市も川崎市民もいっせいにそちらを応援するようになっていたために、ヴェルディの東京移転に対し川崎側からは一切の反対運動は起きなかったといいます。つまり、ヴェルディは川崎市から愛想を尽かされ、追い出された格好になったわけで・・・ (^^;

 念願の東京移転が済み、「東京スタジアム」をホームスタジアムにした後も、今度は東京をホームタウンとし、東京スタジアムをホームスタジアムとする事を前提に活動していた「FC東京」との棲み分けがうまくいかず、川崎にも東京にもどっちつかずのコウモリみたいなチームだとして、東京のサポーターを獲得するには至らず、結果として人気の面でも実力の面でもFC東京には大きく水を空けられてしまい、現在に至っています。

 

20100701001_2  写真は、稲城市内を走った時に撮ってきた写真ですが、街路灯に取り付けられたヴェルディの旗です。
 このように、一部の地域ではヴェルディを応援する動きもあるようですが、あの眩しい輝きを取り戻すまでには至らず、とうとう経営破綻へと追い込まれてしまったヴェルディ・・・

 思えば、「我が世の春」を謳歌し、順風満帆に見えていたはずのヴェルディなのに、どこでどう歯車が狂ったのか、今はチーム存続の危機にあえいでいます・・・

 

 これは、対岸の火事ではなく、同じ読売新聞グループをスポンサーに持つ某プロ野球チームにもいえることなんじゃないかと思えてなりません。

 かつては、「巨人・大鵬・卵焼き」なんてことばが存在したように、巨人はまさしくプロ野球界のガリバーであり、日本中が巨人を愛し、巨人を応援していたものです。

 しかし、昨今の巨人を巡るチーム事情はどうでしょうか・・・

 先日行なわれたセパ交流戦では、上位6チームは全てパ・リーグのチームが占めるという異常事態で終わりました。

 以前なら巨人のマークが付いた帽子は子ども達の憧れだったはずなのに、今では巨人以外のチームの帽子を被っている子ども達の方が多いんじゃないでしょうか。

 また、以前は必ず行なわれていた地上波による巨人戦のテレビ中継は、視聴率が取れないからと21時以降の放送延長が行なわれないことも珍しくなくなりました。
 あろう事か、テレビ中継自体が最初から予定されないなんて事まで起きました。
 2007年10月2日、巨人はヤクルトをサヨナラで破って5年ぶりの優勝を決めましたが、この日、日本テレビでは「踊る!さんま御殿!」を放送しており、中継はおろか、優勝が決まった瞬間でさえ番組を中断せずに「踊る!さんま御殿!」を放送し続けたという事がありました。
 巨人が優勝するかもしれないにも関わらず、特番で中継することもなく、優勝が決まった直後でさえ、ニュース速報で巨人が優勝したことを伝えただけで、その後画面左下の小画面で優勝が決まる瞬間の様子と、胴上げシーンを流したものの、メインの画像は相変わらず「踊る!さんま御殿!」のままだったので、苦情が千件も寄せられたそうです (^^;

 このような事を考えると、いつまでも巨人が球界の盟主でいられるとは限らないという事を、如実に物語っているように私には思えてならないんですよね。

 

 「いつまでもあると思うな親と金」

 これは、自立と節約を促すことわざですが、ヴェルディの凋落を目の当たりにすると、「人気」や「仕事」なんかにも同じ事がいえるんでしょうね (^^;

|

« 歴史は夜作られる | トップページ | ハンター »

サッカーを語る」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 栄枯盛衰:

« 歴史は夜作られる | トップページ | ハンター »