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2011年3月28日 (月)

負けるな

 プロゴルファーの宮里藍の発案で、宮里美香、上田桃子ら三人が、東北地方太平洋沖地震による被災地支援のために、インターネット上で「まけるな日本」をスローガンに共同の募金活動を始めたと報じられた。

 

 かつて、神戸に本拠地を置くプロ野球のオリックス・ブルーウェーブが、阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた地元に対し、「がんばろう神戸」をキャッチフレーズに、一年間を戦ったことがあった・・・

 その年は、オリックスが2位のロッテに対し12ゲームもの差を付け、ぶっちぎりで優勝して神戸市民に大きな勇気を与えた。
 さらに、その翌年も同じキャッチフレーズでペナントを戦い、日本シリーズに駒を進めたオリックスは、巨人を4勝1敗で下して、見事に日本一の栄冠を掴んだ・・・

 

 そんな前例もあり、今回の震災の際にも、当然のように「がんばろう日本」などという文字がマスコミを通じて発信されたこともあった。
 しかし、私は「それは違うんじゃないか」という思いがして、どうしても賛同できませんでした・・・ (__;)

 

 よく、人は誰かに向かって「頑張れ」ということばを、口にすることがあります。

 一番有名な例は、1936年に行なわれたベルリン五輪で、女子200m平泳ぎの決勝に進んだ前畑秀子に対し、NHKのアナウンサーだった川西三省が「前畑頑張れ」などと、「頑張れ」ということばを実況の中で24回も繰り返し、日本中を熱狂させたと伝えられています。

 「頑張れ」と言った本人にはそういう思いはないのかもしれませんが、「頑張れ」ということばにはどうしても上から目線がつきまといます。
 言う方は同じ立場で言っているつもりでも、やはり当事者とは違い、単なる傍観者でしかないわけですよ。言われる方の気持ちは、わかってるようでわからない・・・

 

 以前、バラエティ番組でチョッと興味深い実験を見ました。
 バンジージャンプの高い台の上で、飛び降りるのを躊躇している男の人に向かい、下で見ているギャラリーの女性達が、口々に「頑張って~」と声援を送るのですが、上で聞いている男性は、「勝手なこと言ってら」とか「飛び降りるのは俺なんだぜ」とか言ってなかなか飛び降りようとはしません。
 しかし、「カッコいい~」などとおだてるような声援を送ると、上の男性はチョッと戸惑ってはにかむものの、直ぐにその気になって飛び降りた・・・というものです。

 このように、単に「頑張れ」と言われても、言われた人には言った人の思いはそれほど伝わらないか、逆に反発を買うのがオチで、「頑張れ」はあまり有効な応援のことばではないというのが最近の考え方です。

 

 特に、いろんな意味で逆境にある人に向かって「頑張れ」ということばを言う事はタブーであるとされています。
 「今でも一生懸命に頑張っているのに、もうこれ以上は頑張れない・・・」という事で、言っている方は励ましているつもりでも、言われた方は精神的に追い詰められてしまうからというのがその理由だそうで・・・ (^^;

 

 そういう意味で、「がんばろう日本」というコピーを聞いても、たいへんな思いを強いられている被災地の人達に向かって、「頑張ろう」というのは、ある意味ごう慢な物言いなのではないのかというのが私の正直な気持ちでした。

 

 そんな時に聞いた「まけるな日本」というのは、まさにわが意を得たりというか、そういう「弱者」に対して優しいことばを聞きたかったんですよね (*^.-^*)♪

 

 宮里藍さん、私の気持ちを代弁して頂きまして、ありがとうございました m(_ _)m

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コメント

一緒に 頑張ろう!p(*^θ^*)q  は?

いいよね?(〃'∇'〃)ゝ

投稿: ティンク☆ | 2011年3月29日 (火) 21:20

 ティンク☆さんどうもです (^_^)/

 自分が自分自身に「頑張ろう」というのはアリです (^^)v
 自分に対してなら、当事者であり、第三者というわけではありませんから(苦笑)

投稿: 夢ピ | 2011年3月30日 (水) 06:37

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