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2011年7月11日 (月)

案山子

 さだまさしの歌っている歌の中に、「案山子」という作品があります。

 けっこう有名な曲なので、ご存じの人も多いでしょうし、好きな作品だとおっしゃる方も少なくない、文字通りさだまさしの代表曲の一つです。

 

 今日は、この作品について語ってみたいと思っているのですが、その前に「案山子」の歌詞を貼り付けておきますので、いちおうご覧になってみてください ( ^-^)/ ♪

 

   案山子 
                 作詞/作曲 さだまさし

 

 元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか
 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

 城跡から見下せば蒼く細い河
 橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突
 この町を綿菓子に染め抜いた雪が
 消えればお前がここを出てから初めての春

 手紙が無理なら 電話でもいい “金頼む”の一言でもいい
 お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ

 

 元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか20110711011
 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

 山の麓 煙吐いて列車が走る
 凩が雑木林を転げ落ちて来る
 銀色の毛布つけた田圃にぽつり
 置き去られて雪をかぶった案山子がひとり

 お前も都会の雪景色の中で 丁度 あの案山子の様に
 寂しい思いしてはいないか 体をこわしてはいないか

 

 手紙が無理なら 電話でもいい “金頼む”の一言でもいい
 お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ

 

 元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか
 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

 

 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

 

 

 この作品は、1977年(昭和52年)に発表されました。
 ちょうど私が高校を卒業して、江戸川で独り暮らしを始めた年でもあり、学生から社会人へと人生のターニングポイントとなった年なので、この作品に対する思い入れもひとしおです (^_^ゞポリポリ

 

 ところで、この歌の中に登場する、「お前」を思いやる心優しい主人公は、「お前」にとってはどんな立場の人だと思いますか?

 もちろん、「お前」の家族であることには間違いないことはわかりますが、さて、その正体は ・・・ となるとどうでしょう?

 

 おそらく、多くの方が「父親」だと考え、「父親」が「息子」に対してあれこれと思いを馳せているのが、この「案山子」という作品だと思っているのではないでしょうか ・・・

 

 

 しかし、正解は「兄」という事で、「兄」が故郷を離れて独り暮らしをしている「弟」を偲んで歌っているのが「案山子」です (^^)v

 

 なぜこの歌の主人公が「兄」だとわかるのか ・・・

 

 それは、『お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ』というフレーズが、全てを如実に語ってくれています。

 

 もし、「父親」が息子に対して言っているのであれば、「おふくろに」ということばは使わないはずだからです。
 言うとするならば、「母さんに」と言うのが一般的であり、自分の連れ合いを「おふくろ」とは普通言わないと思います。

 父親が「おふくろ」という存在は、息子にとっては祖母という事になり、そういう設定もあり得ないハナシではないと思いますが、ここはやはり「兄」が「弟」に対してというのがベストのシチュエーションだと思います。

 

 後に、この作品にまつわるエピソードが、さだ自身の口から語られ、それを裏づけています。

 それによると、さだのマネージャーをしている実弟の佐田繁理と二人で、大分から福岡へと列車で移動中に、窓の外に見えた景色がモチーフとなって「案山子」が作られたそうです。
 その日は雪が降っており、雪が積もった田んぼの中に案山子がポツンと立っているのを見かけたさだは、「かわいそうにな、雪の中に独りで立ってて」と弟に話しかけた。
 繁理は鈍い反応しかしなかったそうですが、さだはその風景に、自身が経験した都会での一人暮らしと、弟の台湾留学中の思い出などを重ね合わせ、この「案山子」を思いついたといいます。

 

 いずれにしても、「家族愛」とか「家族の絆」というのがこの「案山子」の原点だと思うので、聴いた人がそれぞれに思い描くシチュエーションが「案山子」の世界であってもいいと思うので、「父親」と「息子」の設定でもいっこうに構わないと思います。

 

 さだは、3才からバイオリンを習い始め、その腕前はメキメキと上達し、本格的にバイオリンを習得するために、小学校卒業後に単身上京し、都内の葛飾区や千葉県の市川市で独り暮らしを続けました。

 この頃のエピソードとして、お金に困ると、10円玉を1個握って近くの公衆電話から長崎の実家に救援コールをかけたんだそうで、10円玉1個ですからアッという間に電話は切れてしまうそうで、つながるやいなや、「カネ! カネ! カネ! ・・・ 」と早口でまくし立てたんだそうです (^◇^) 。。。ケラケラ
 当然の事ですが、瞬時の出来事ですから電話に出た相手が誰だかなんて確認する時間的余裕は無いので、時には実家に来ていた親戚の類が電話に出たこともあったんだそうで、「今、ヘンな電話がありましたよ ・・・ なんでも、金・金 ・・・ とか言ってましたが ・・・ 」とか家族に伝えると、家族は心得た様子で、「あ、わかりました」と言ってさだに送金してくれたんだそうで (〃⌒∇⌒)ゞ ♪

 もちろん、さだがコンサートで語ったMCですから、真意のほどは定かではありませんが ・・・ (笑い)

 

 そういう、状況を思い浮かべながら、さだまさしの「案山子」をお聞きになってみてください ( ^-^)/ ♪

 

 

 

 

 蛇足ですが、この「案山子」を聞いたお百姓さんから、さだは抗議の手紙を頂いたことがあったんだそうです (^^;

 その手紙には、「百姓は案山子を田んぼに置き去りにするような事はしない」という一文が書かれてありました ・・・ とサ  (〃⌒∇⌒)ゞ ♪

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