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2011年11月23日 (水)

統一球

 日本シリーズも幕を閉じ、今年のプロ野球の日程は全て終了しました。

 ところで、今年、日本のプロ野球は大きく変ったと言われています。
 その主役というか、キーワードとなったのが、タイトルにも挙げた「統一球」の採用でした。

  

 昨年までは、ボールの規格は決められていましたが、どこでどのメーカーのどのボールを使うかは、各球団の判断に委ねられてきました。

 しかし、規格内の製品であっても、製品によってボールの「性格」といってもいいんですかね、具体的に言えば反発力だとか握った感じとかが微妙に違っており、試合で使うボールによって選手の成績も変るというのが当たり前に行なわれてきました。

 ウソかホントか、ホームのチームが攻撃する時には比較的飛ぶボールを使い、守る時には飛ばないボールを使っているナンてウワサまでまことしやかに囁かれたりもしたものです。

 もしそういう姑息な事が実際に行なわれていたとしても、見ている方では確認のしようがありませんから、私なんかは十分あり得るハナシだと思っています。

 

 しかし、よく考えてみれば、試合が行なわれる球場によって使用されるボールが違うわけですから、防御率や打率なんかに代表される選手の成績も、厳密に言えばボールによって左右されてしまうわけで、一概に比べられるようなモノではないわけです。

 

 こんなおかしなことがず~っとまかり通っていたのが日本のプロ野球というものの実態なわけで、12球団が同じボールを使って試合をしようじゃないかという声が今まで上がらなかった方が不思議というか・・・ (^_^;

 様々なメーカーの多様なボールが試合で使われてきた背景には、スポーツ用品メーカーは何社もあるわけですから、統一球を採用することによって実質的に1社の寡占状態になることを避けようとの意図があったものと思われます。
 いかにも中庸を重んじる日本人らしい考え方というか・・・

 

 しかし、試合の公平さを保つためにも、成績の数字の裏づけのためにも、使われるボールは全て同じである方がイイに決まっています (^^)v

 

 ただ、「統一球」ということばよりも、今年の場合は「飛ばないボール」ということばの方が一般的に聞かれたのではないでしょうか・・・ (ノ_-;)ハア…

 

 「統一球」の採用は、ボールが飛ぶかどうかなんて事よりも、全ての球団が同じボールを使っているということの方がずっと大事なコトであり、意義でもあるはずなんですが、どうも世の中は「本質的」なことよりも、そういう「枝葉」のことの方が気になってしまうもののようで・・・(苦笑)

 

 実際に、今年のプロ野球では、ホームランが激減し、打率も下がる選手が続出しました。
 一方、防御率が1点台の投手もゾロゾロと生まれ、明らかに「投高打低」のシーズンとなりました。

 

 さらに、日本一を決める「日本シリーズ」でもそれは顕著に現われ、7戦までもつれた戦いは、全てロースコアの接戦となり、ホームランは両チーム合わせてもたったの4本という、今年のプロ野球を象徴するような投手戦の連続になりました。

 これを受け、統一球の弊害を口にする人も多く、野球がつまらなくなったと言う声がそこここで聞かれます。

 言うに事欠いて、先日の日本シリーズを「まれに見る貧打シリーズ」などと評する御仁も出る始末・・・ (ノ_-;)ハア…

 

 なるほど、点が入らないからつまらないと思う人が居ても不思議ではないけれど、チョッと待て!
 野球って、ポンポンホームランが飛び交ったり、取ったり取られたりのシーソーゲームじゃないと、見ていてつまらないようなスポーツなのか?

 飛ばないボールじゃ野球がおもしろくなくなったと考える人たちは、むしろ今までの野球の方が、「異常」で「変」だったのだと気付くべきではないのか。

 

 水増しのプレーや成績に大喜びしていた選手やファン達は、もっと地に足を付けた「現実」を見つめるべきだと私は思う。

 タカがボール一つで成績が上がったり下がったり、おもしろいとかおもしろくないとか思えてしまうような、「野球」ってそんなに底の浅いスポーツじゃないと私は思うよ。

 打球が飛ばなくなってホームランやヒットが出ないと愚痴を言う前に、プロなら自らの技術をもっと真摯に磨くべきだし、点が入らなくて試合がおもしろくないと文句を言う前に、ファンなら選手がどうやって1点を取ろうかと、必死になってプレーしているその姿を見てあげるべきだと思う。

 

 第一、点が入らないから試合がつまらないなんて言っていたら、サッカーは見れないよ (^◇^) 。。。ケラケラ

 サッカーと野球とでは、1点の重みが違うとかおっしゃる方も居るんだろうけど、そんな事はないよ、1点は1点の価値しかないし、5点も10点も入る可能性のある野球の得点が、サッカーのそれと比べて価値がないとは私は思わない。

 90分、あるいは延長まで戦っても、0-0のままで、引き分けで終わるサッカーの試合は少なくないけれど、だからといってそれをカネを払って観に行った観客達が、点が入らなかったから試合はつまらなかったと思うとは限らない。

 確かにスタンドからブーイングは浴びせられるかもしれないけれど、それは「試合がつまらなかった」からカネ返せの意味ではなく、単純に「勝てなかった」ことに対しての抗議なのだと私は思う。

 

 「飛ばないボール」ということばが一人歩きしてしまった感がある今年のシーズンですが、本当は「飛ばない」のではなく「飛ばない」というのが正しい表現なのだろうと私は思います。

 

 西武に中村剛也という選手が居ますが、他の選手たちが軒並み成績を落とす中で、「統一球」の影響などどこ吹く風で、ホームラン48本を放ち、2位の選手に23本という大差をつけ、ダントツで本塁打王を獲得しました。

 この中村の48本という数字ですが、昨年の25本よりも倍近く打っており、自身の持つ2009年の成績に並ぶトップタイの数字ということで、「統一球」が本当に「飛ばないボール」だとしたら、この中村の成績はあり得ない事であり、おかしい・・・ という事になってしまいます。

 つまり、「統一球」は「飛ばないボール」なのではなく、しっかりと芯をとらえさえすれば、打球は間違いなくスタンドまで飛んで行くわけですから、打者にとっては「より高い技術が求められるボール」というのが正しい言い方なのではないかと・・・

 中村剛也というと、あのずんぐりとした体型から、パワーバッターというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実際にはしっかりとした技術を持つ、テクニシャンだったという事が今年の成績からわかるわけです (^^)v

 他の選手たちも、中村のツメのアカでも煎じて飲んで、自らのバッティングテクニックを猛省するべきだと私は思いますねぇ。

 高いカネを貰っているワケですから、自身の能力をもっと磨くべく、必死で努力して欲しいと私は思いますし、それがプロとして当たり前ではないかとも思う次第です。

 

 点が入らなくなったから野球がつまらなくなったとおっしゃる方は、今までの野球のままの方が良かったと本当に思っていらっしゃるのでしょうか・・・

 高いハードルが与えられ、確かに初年度は躓いた感もありますが、それを乗り越えようとすることで、選手たちの能力は間違いなく上がるでしょうから、「統一球」の採用は、日本の野球のレベルを上げることに必ずや貢献するだろうと私は考えています。

 そして、来年は「統一球」にもある程度慣れ、対応してくる選手も増えてくるだろうと思いますから、今年ほど極端な「投高打低」のシーズンにはならないだろうというのが私の考え方です。

 

 なんにでも言えることですが、「初めて」という事に対しては、「戸惑い」「反発」も付きものです。
 しかし、それに負けて元に戻してみたところで、元の木阿弥というか、なんにもいいことは無いだろうというのが、私の今年採用された「統一球」に対する見解です。

 

 別に私はミズノの回し者ではありませんが、「統一球」バンザイと思っている一人です。

 今年はミズノ社製の「統一球」が採用されましたが、1社では不公平だというのなら、毎年採用するメーカーをローテーションで変えていけばいいだけのハナシです。

 一年間通して、同じボールを全球団が使うという事が「統一球」を使う意義であるわけですから、メーカーの違いは春のオープン戦で使うことにより、全球団がある程度対応できると思います (^^)v

 

 いや~、日本のプロ野球も、「統一球」の採用で、やっとオトナになってきたように思いますねぇ(笑い)

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コメント

 今年のプロ野球を左右したのは、統一球と震災だったように思います。

 統一球に関しては、「野球がつまらなくなった」という意見と、「これが本来の野球なんだ」という意見の両方があります。

 私は、一番影響を受けるのは「.280 20本」クラスの中距離打者だと思っていたのですが、今年は短距離打者もかなり影響を受けましたね。
これは予想外でした。

 こうなった理由は、これまでは当たり損ねでもヒットやHRになっていたのがそうはならなくなった、ということだと思います。

 私自身は、今年の統一球に対する評価がまだ定まっていません(おいおい考えていきたいと思います)。
 一つわかったのは、球が変わるというのは野球選手にとって死活問題だということです。

 来年以降は、統一球にフィットした打者が成績を残すようになっていくと思います。

投稿: バークハート | 2011年11月24日 (木) 19:24

 バークハートさん、どうもです (^_^)/

 何にでも、いい面もあれば、悪い面もあります。
 悪い面ばかり取り上げて、野球がつまらなくなったという人も多いですが、私は近視眼的な見方であり、正しい評価ではないようにも思います。

 個人的には、大リーグに近い統一球が採用されたことで、野球がよりワールドワイドになっていくように思っています。
 いつまでも極東の島国で満足しているようなスポーツであってはならないとも思っています

 おそらく来シーズンは、もう少しマトモな野球を見られるんじゃないかと思いますよ (^^)v

投稿: 夢ピ | 2011年11月24日 (木) 20:34

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