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2011年11月15日 (火)

同名の市

 二ヶ月ほど前に、「似たような地名」という記事を書いたことがあります。

 今日はその続編というか、第二弾となります (〃⌒∇⌒)ゞ ♪

 

 東京都に「府中市」という市が在りまして、東京都下においては、八王子市、町田市に次ぐ、三番目の人口を有する市ということになっています。

 その府中市の名前が一躍全国区となったのは、1968年に起きた三億円強奪事件での事だったと記憶しているのですが、一般的に府中といえば、ユーミンの歌にも登場する、「東京競馬場」と「サントリー」の方が有名なのかな(苦笑)

 

 一方、広島県にも「府中市」が在りまして、我が国においては、長いこと同じ名称の市が存在する唯一の例でした。

 

 これは、混乱を避けるためにも「同じ名前の市は避けるように」という自治省の通達が出されているために、新しく市を作る際には、自治体は名称の点でかなりアタマを悩ませたというエピソードがいくつも残されており、最近の例でいえば、1995年に市に昇格した茨城県の「鹿嶋市」が有名だったりします。

 私のように、関東や東北方面にしか暮らしたことがないような人にとって、茨城県にある「鹿島神宮」はかなりインパクトのある有名な神社ですから、その鹿島神宮が在る鹿島町が市になる際に、「鹿島市」を名乗るのは当然だと思っていました。

 ちょうど、Jリーグが開幕した直後ということもあって、Jリーグ初代王者である鹿島アントラーズの名前は全国区になっていたこともあり、鹿島町側としても、同名の市が佐賀県にすでに存在し、自治省から待ったがかかるとは夢にも思ってもいなかっただろうと思います (^^;

 困った鹿島町側は、「鹿島」の「島」という文字を「嶋」に変え、「鹿嶋市」として新しい市が誕生したという経緯があります。

 

 似たような例は、例えば関東に多く存在する「東」が頭に付く市にも現われています。

 「東久留米市」、「東松山市」、「東大和市」、「東福岡市」など、新しく市が誕生する以前から、別のところに同じ名称の市が存在していたために、苦肉の策として「東」に在る「○○市」という意味でこんな妥協の産物のような名前の市がいくつも誕生しました (;^_^A アセアセ・・・

 まぁ、「京」の「東」の方に在るから「東京」だなんて身もふたもないような地名を、臆面もなく付けてしまうのが関東流の命名法みたいなので、「東」がアタマにくっついた地名が関東のそこここに存在しても仕方がないのかもしれませんが、個人的には「東京」なんて味も素っ気もない地名よりは、「江戸」のままの方がはるかに良かったのではないかと思えてならないんですよね (ノ_-;)ハア…

 

 それはともかくとして、先に、「府中市」のところで『我が国においては、長いこと同じ名称の市が存在する唯一の例でした』と書きましたが、これにはワケがありまして、かつて福島県に「若松市」という名前の市が在りました。

 1889年、当時の若松町が福島県内で初の市制を施行し、「若松市」が誕生しましたが、その25年後の1914年、福岡県にも「若松市」が誕生します (^_^;

 つまり、日本に同じ名称の市が二つ存在する最初の一例目となったわけです。

 

 「福県」「福県」という、似たような名前の県に在る二つの「若松市」の存在は、郵便番号制度など無かった当時、紛らわしいことこの上なく、郵便物の誤配などがお互いの間で相当数あったそうで、1955年、福島県の「若松市」は周辺の7村を合併したのを機に、現在の「会津若松市」に市の名称を変更しました。

 先にあった方の市が、後にできた方の市に遠慮して名称を変えたというのは、後にも先にもこの「会津若松市」が最初で最後の例になります・・・ (〃⌒∇⌒)ゞ ♪

 慎み深いというのか、あるいは、逆賊としての負い目から福岡に名称を譲ったのか、はたまた、「会津」という地名に誇りを持っていたからこそ、敢えて「若松市」に「会津」という名称をくっつけたかったのか、その辺りの事情はわかりかねますが、今となってはただの「若松市」よりも、「会津若松市」で良かったと思っていますし、個人的にも「会津若松市」の方が好きですねぇ (〃⌒∇⌒)ゞ ♪

 それでも、地元では「会津若松」ナンて口にする地元民は誰も居ませんで、普通に「若松」と言うのが一般的であり、それは県内でもおそらく多数派だろうと思います (;^_^A アセアセ・・・

 

 そして、福島県の「若松市」が「会津若松市」と名称を変える前年の1954年、広島と東京に相次いで二つの「府中市」が誕生しました。

 広島県と東京都の二つの府中町は、先を争うように「府中市」の名前を我がものにせんと画策したために、困った自治省は両者の顔を立てて、二つの市が同じ「府中市」を名乗ることを認めたといわれています (;^_^A アセアセ・・・

 という事で、1954年からの約1年間、日本には「若松市」「府中市」という、同じ名称の市が二つ存在していたことになります。

 

 その後、平成の大合併が盛んに行なわれていた2006年に、福島県に「伊達市」が誕生しました。

 しかし、当時すでに北海道に「伊達市」が存在していたために、本来であれば福島県の「伊達市」ができる際に、北海道側からクレームが付くはずなんですが、お互いの先祖に伊達政宗で有名な伊達氏が存在し、二つの市は歴史的にも密接なつながりがあるということで、北海道側の伊達市が、福島側の伊達市に対し、友好的に「伊達市」を名乗ることを認めたという経緯があり、ここに日本唯一だった同じ名称を持つ「府中市」の座は崩れます。

 

 つまり、「府中市」が長いこと同じ名称の市が存在する唯一の例だった前後には、「若松市」「伊達市」という、同じ名称を持つ市が福島県内にそれぞれ存在していたというワケでして、おかしな縁というか、そういう点でも福島県という県はユニークでガンコな県だと思います (^◇^) 。。。ケラケラ

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