マンデラの教え
アパルトヘイト撤廃に人生を捧げ、5日に95才で死去した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の追悼式が10日、ヨハネスブルクで営まれ、国民や各国首脳が氏に別れを惜しんだと報じられた。
いや~、このマンデラという人は本当に凄いなと・・・ (;^_^A アセアセ・・・
不当な「何か」を無くそうと考えた場合、普通はそれを押しつけている圧政者と「戦って」勝ち取るというのが一般的だ。
しかし、そういう短絡的な手法をとった場合、勝ち取った方と奪われた方との間には、なにがしかの「しこり」だったり「確執」のようなものが生じてしまう。
それは、場合によっては「恨み」に姿を変え、未来に対しておおきな禍根ともなりかねない・・・
しかし、マンデラ氏はそういう方法ではなく、「和解と協調」という、遠回りではあるけれど、地道な手法で粘り強く交渉を続けてきた・・・
その結果、30年近い獄中生活を余儀なくされたものの、釈放後は、選挙によって南アフリカの大統領にも就任した。
アパルトヘイト撤廃も、白人の権力者たちと争って勝ち得た結果ではないために、氏への尊敬の念は黒人たちの間だけに止まらず、全国民的、やがては全世界的なものへと変っていく・・・
マンデラ氏の功績ともいえる「アパルトヘイト撤廃」によって解放されたのは、虐げられてきた黒人たちと考えるのが一般的ですが、撤廃後に数で勝る黒人たちが白人たちに対して何の報復行為も行なわなかったことから、むしろ解放されたのは虐げ続けて来た白人たちの方だったのではないか・・・
そういう事を指摘する識者たちも少なくない。
今回の追悼式には、アメリカから歴代の大統領が四人も出席したと報じられた。
オバマ大統領は黒人でもあり、マンデラ氏の影響を強く受けているといわれていますから、追悼式に出席しても何も不思議ではないんですが、ブッシュ前大統領、クリントン元大統領、カーター元大統領までもが出席するとなると、かなり異例と言わざるを得ない。
これはいったい何を意味するのだろうか・・・
アメリカの大統領といえば、世界の中で軍事的にも政治的にも、最も権力を握っている人物ということで、その影響力も相当なものであることは周知の事実です。
しかし、そういった権力者たちでさえ、マンデラ氏の成し遂げた偉業には遠く及ばないと自ら悟ったからこそ、わざわざ南アフリカまで足を運び、追悼式に顔を出したのではないか。
「力」ではなく、「対話」・・・
これは、世界の警察を自認する傲慢なアメリカが、マンデラ氏から学ぶべき、大きな指針ともいえる遺産ではないのか・・・
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