ゴミ拾い

　サッカーＷ杯が開幕し、各方面での露出度も高まる一方ですが、グループリーグの初戦を落としたコートジボワール戦後の外野の話題が、意外にも世界の耳目を集めている。

　手痛い敗北を喫した直後のスタンドで、黙々とゴミ拾いをする日本のサポーターの姿が報道され、マナーの高さが賞賛されているというものだが、こういうハナシを耳にする度に、私は日本人として生まれたことを誇りに感じます。

　しかし、これは日本人だからといって誰でも行なっているようなものではない。
　あくまでも、サッカーが好きでスタンドに何度も足を運んでいるサポーターだからこそできる事で、それはとりもなおさず、日本サッカー協会とクラブとが二人三脚で歩んできた努力の結晶だと私は思っています。

　そもそも、サッカーの後進国である日本には、サッカー観戦のために競技場に足を運ぶという文化はほとんど存在しませんでした。

　それが、９３年のＪリーグ開幕と共に、イッキに花開いたワケですが、応援のスタイルも確立されていなくて、右も左もわからないような状況だった当時、日本サッカー協会や各クラブは、手探りではありましたがサポーター達の啓蒙に努めます。

　今回評価されたゴミ拾いもそんな啓蒙活動の中の一つであり、各クラブは入場者達にゴミ袋を配って、帰る際に周囲のゴミをその袋に入れてゴミ箱に捨てて欲しいとお願いしてきました。

　今では多くのサポーター達が自らの考えでゴミを拾いますが、これも地道な啓蒙活動の結果であり、協会関係者やクラブ関係者達の努力には頭が下がります。

　これが例えばプロ野球の球場で、試合後に席を立つその時、ゴミを拾っているファンはいるのでしょうか・・・
　まぁ、自分の出したゴミくらいは持って帰り、ゴミ箱に捨てる人は少なくないと思いますが、他人の出したゴミまでとなるとどうでしょう (^_^;

　ブラジルの競技場で、コートジボアール戦後に黙々とゴミを拾い集める日本人サポーター達の姿を見て、驚き、感心した各国の人達は、日本人全てがこんなふうに高いマナーを備えていると思ったのかもしれませんが、おそらくはサッカーのサポーター達に限った特別な事なのだろうと私は思っています。

　願わくば、彼等の勘違いが多くの日本人の意識を変えてくれることを願っているのですが、平気で歩きタバコをし、吸い殻を道端に捨てていく輩が減らない現状を見るにつけ、ムリなのかもしれないと思っている私もいます・・・ (__;)